【風水害対策】激甚化・頻発化する水害・風害対策へ 国を挙げた“総力戦”の取り組みが加速
自然災害対策の新スタンダード
近年、水害・風害が激甚化・頻発化し、対策は待ったなしという状況だ。こうしたなかで、国、住宅業界団体、建築学会、住宅事業者、建材メーカーなど、官民を挙げて“総力戦”で水害・風害対策の取り組みが加速している。
想定以上の水害が発生
家屋などに甚大な被害
ここ数年、気候温暖化などの影響により大規模な台風や集中豪雨により、私たちの生活で水害・風害のリスクが高まっている。
水害については、2019年、台風19号による水害は想像を超えたものであったことは記憶に新しい。140箇所で堤防が決壊し河川が氾濫、住宅の床上浸水は8129棟、床下浸水は2万2892棟にのぼった。特に、人口密集地帯である東京都と神奈川県を流れる多摩川の氾濫は社会生活に大きな影響を与えた。
翌2020年も熊本県を中心に九州や中部地方などで豪雨となり、日本各地に被害を与えた。特に、熊本県球磨村にある特別養護老人ホーム「千寿園」では、球磨川の反乱による浸水で入所者14人が死亡するという痛ましい事態も起こった。
風害についても、近年は毎年のように台風による大きな被害が発生し大きな被害が出ている。2019年の台風15号は、小笠原近海から伊豆諸島付近を北上し三浦半島付近を通過して東京湾を進み、強い勢力で千葉市付近に上陸、茨城県沖に抜け、日本の東海上を北東に進んだ。台風の接近・通過に伴い、伊豆諸島や関東地方南部を中心に猛烈な風、猛烈な雨となった。特に、千葉市で最大風速35.9m、最大瞬間風速57.5mを観測するなど、多くの地点で観測史上1位の最大風速や最大瞬間風速を観測する記録的な暴風となった。全壊が342棟、半壊が3927棟、一部破損が7万397棟と、千葉県を中心に強風により住宅へ大きな被害が出た。
官民を挙げて住宅の水害対策に動き出す
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