ノーベル物理学賞 真鍋氏の放った矢/悩ましいグローバル時代の国籍
ノーベル物理学賞 真鍋氏の放った矢
2021年のノーベル賞は世界が直面する危機に対する研究や活動への貢献が強く打ち出されたのが印象的だったが、なかでも個人的には米プリンストン大学上席研究員の真鍋淑郎氏の物理学賞受賞は感慨深かった。コンピュータによる気候のシミュレーションモデルを開発し、地球温暖化の予測に関する長年の研究業績が高く評価されたことに快哉を叫びたい。ただ一方で考えさせられたのは真鍋氏は法的には日本人ではなく、米国籍を取得した、いわば日系アメリカ人だということ。だから“日本人の受賞”と手放しで喜ぶことに違和感を抱く人が出るのも当然なのだ。これまでもノーベル賞受賞者で外国籍を持つ人はいた。文学賞の作家カズオ イシグロ(石黒一雄)氏は英国籍、物理学賞のシカゴ大名誉教授・南部陽一郎氏も米国籍だった。このため、外国籍の日系人が出るたびに“日本頭脳の海外流出”が話題となる。真鍋氏もそう。すでに真鍋氏が2001年にプリンストン大学研究員に転じたとき、メディアが温暖化研究の第一人者を失うと“頭脳流出”を書きたてたことを知る人は多い。そのためもあるだろう。真鍋氏の受賞記者会見では日米の研究開発体制のあり方など日本人として考えさせられる、やりとりが繰り広げられた。
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