YKK AP、社会課題解決のモデルハウスを建設
未来パネルなど訴求
YKK APは神奈川真鶴町に社会課題の解決をテーマにしたモデルハウスを建設した。全国の工務店などに対し、省施工を実現する「未来パネル」などを訴求する拠点としていきたい考えだ。
YKK APはキット住宅の販売を行うワールドハウジングクラブ(WHC)、(一社)LIVING TECH協会と連携し、戸建住宅のモデルハウス「真鶴の家」を建設、公開を開始した。
同モデルハウスのコンセプトは社会課題の解決で、その社会課題の一つが深刻化する“職人不足と高齢化の問題”だ。建設業界では、窓が高性能化するに伴い重量化しており、職人不足と高齢化が進む中、施工者の負担が課題となっている。こうした課題を解消するためのソリューションとして、今回、YKK APはワールドハウジングクラブと共同開発した「未来パネル」を「真鶴の家」に採用した。未来パネルは、YKK APが専用に開発した高性能トリプルガラス樹脂窓とパネル(面材+断熱材)を1つにした次世代型の高断熱複合パネルユニットだ。「未来パネル」は室内側からのパネル施工ができるため従来のように重量化した窓を外部から取り付ける必要がなく、狭小地でも安全かつ容易な施工が可能。また、パネル平面から出っ張りのない専用窓によりパネルの平積みを実現し、工場からのパネル搬入のコンパクト化や配送回数を削減し、約1週間の工期短縮を実現する。さらに、建築現場で端材が出ないため、ゴミの量も最小限にできる。
コロナ禍の暮らしへの対応やスマートホーム化も
「真鶴の家」では、社会課題の一つとして、コロナ禍の新しい生活様式への対応も設定し、様々な提案を行っている。
在宅ワークでオンとオフを切り替えやすくするように、在宅ワーク空間と住まい空間を明確に分けた間取りを採用。衛生強化の需要の高まりに対応し、玄関スペースへの洗面の設置やタッチレス水栓、天井埋め込み型空気清浄機、自動洗浄トイレなども導入している。
また、在宅時間が長くなり、より家の中での利便性を求める需要に対応し、(一社)LIVING TECH協会と連携しながらスマートホーム化にも取り組んでいる、
具体的には、より快適にスマートホームでの暮らしを行えるよう、IoTデバイスや充電器の設置位置を設計段階から考慮。加えて、スマートスピーカーを通じて、デバイス同士を連携させ、一括操作できるようにした。これらの取り組みについては、(一社)LIVING TECH協会のスマートホームに関して豊富な知識を持つスタッフが「スマートホームコンシェルジュ」として監修に携わった。
今後、「真鶴の家」モデルハウスについては、YKK APが「未来パネル」を全国の工務店などに訴求するためのショーケースとして活用する。また、「真鶴の家」の商品化も行い、ワールドハウジングクラブが9月末から全国の工務店に対しキット販売する予定だ。
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