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2021.9.27

MRグラス活用したソリューション提案が活発化

商品、空間提案から、検査サポートまで

住宅・建築業界で、MRグラスを活用したソリューション提案が活発化してきている。
MRとは、Mixed Reality(複合現実)の略で、MRグラス越しに、現実空間の中に3Dのデジタル情報を浮かび上がらせる技術だ。
キッチンやエクステリアなどの新商品の提案から、その商品がどのように空間にマッチするのかという空間提案による新しい体験の創出にとどまらず、マンションの修繕検査のサポートまで活用の幅は広がり、働き手が不足する中、業務効率化、生産性改革にも寄与し始めている。


【ニトリ】
MR活用したショッピング体験
3Dキッチンを現実空間に

家具、インテリア用品小売業最大手のニトリ(法人&リフォーム事業部)は、グランフロント大阪 北館3階「ニトリ 企業向けショールーム(NITORI BUSINESS&REFORM)」において2021年3月~8月の期間、空間コンピューティングデバイス「Magic Leap 1」を使ったショッピング体験ができる実証実験を実施した。

Magic Leap 1は、Magic Leap社の軽量なウェアラブルヘッドセットで、モニターがなくても、シームレスにデジタルコンテンツを見て触れることができ、リアルとデジタルを融合したインタラクティブな世界を提供する。

Magic Leap 1を装着すると、3Dのシステムキッチンが実際の空間に現れる

今回の実証実験では、Magic Leap 1に、システムキッチンの3D情報を浮かび上がらせる機能を搭載。Magic Leap 1を装着すると、システムキッチンが実際の空間に現れ、その場に存在しないシステムキッチンがあたかもショールームに実在しているかのような体験が可能になる。

従来のショールームでは、設置スペースのサイズによって、顧客が実際に体験できるカラーバリエーションや、オプションの組み合わせの数には限界があったが、MRを用いることで、デジタル上に設置された膨大なバリエーションから、顧客が自分好みにカスタマイズした3Dモデルを見ることができる。

また、Magic Leap 1のコントローラー操作によって、ただ3Dのキッチンを眺めるということだけではなく、引き出しの開閉などの動作を実際に触れているかのように疑似体験することができる。

さらに、これらの体験を複数名で同時に行うことができるため、顧客の間での感想の共有や、従業員からのスムーズな案内も可能となる。

この実証実験は、ニトリがNTTドコモと共同で推進するXR(VR(仮想現実)、AR(拡張現実)、MR(複合現実))を活用した取り組みの一環として実施したもの。

同社は、「MRを用いて出現させた3Dのシステムキッチンに対して非接触で操作を行うことができる。このようなMRの特性を生かし、今後コロナ禍への対策となるようなサービス提供も視野に入れて、検討を進めていく」考えだ。

【タカショー】
業界初のXR体験アプリを開発
展示場がなくても空間提案が可能

「メタバガーデン for MR グラス」利用時イメージ

ガーデンライフスタイルメーカー、タカショーは、MRグラスを活用して、エクステリア製品を現実空間に配置し、施工後の完成イメージをシミュレーションできる業界初のXR体験アプリ「メタバガーデンfor MR グラス」の提供を2021年9月から開始する。同社は、KDDIと共同で、ガーデン・エクステリア施工店・ハウスメーカー・工務店・リフォーム業者などが、ガーデン・エクステリア領域において、施主への家と庭の空間提案を容易にするDXの取り組みを開始しており、その第一弾が「メタバガーデンfor MR グラス」となる。

専用のMRグラスと、5G対応の端末があれば、現実空間の中に、MRグラス越しに、商品の3Dデータを浮かび上がらせることができる。「フェンス・スクリーン」、「ガーデンファニチャー」、「車庫まわり」、「ファサード」、「庭」の5つのカテゴリーによるさまざまな商品データがクラウド上に収録されており、展示場がなくても、その場で商品・空間提案ができる。指定サイズ、また同社が持つさまざまなカラーバリエーションからカラーを選択できるほか、アプリ上で設置したアイテムについて、簡単に別カラーに変更することも可能。また、選んだアイテムの概算金額もアプリ内で確認できる機能も搭載しており、予算に合わせてシミュレーションできる。

「事業者は、新商品が追加される度に行っていた、ショールームや展示スペースの改装時に出る廃棄物やコストを抑えることができ、環境保全やSDGsの取り組みとしても活用いただける」(同社)。

【長谷工コーポレーション】
タイル打診検査にMRを活用
30%業務負担を軽減

長谷工コーポレーションは、マンションタイルの打診検査に国内で初めてMRグラスを活用する取り組みを開始した。同社は、アウトソーシングテクノロジー(東京都千代田区)と、日本マイクロソフトと連携して最先端のデジタル技術を活用した建設・不動産業界における生産改革を推進する。その一環として、マンションの外壁タイル打診検査のためのMRソリューション「AR 匠 RESIDENCE」を共同開発した。2020年7月から、長谷工リフォームが建物診断を行う関東エリアに導入し、順次、全国へ活用を広げている。

「AR 匠 RESIDENCE」で3Dモデルを作成する際のイメージ

従来の打診検査では、2人一組で検査を行い、1人が打診検査を実施、もう1人が検査結果を紙に記録し写真撮影を行っていた。検査結果を元に報告書に清書、集計する必要もあった。対して、「AR 匠 RESIDENCE」による打診検査は、1人で対応できる。MRグラスを装着し、検査記録項目画面のナビゲーションに従い、打診検査をしながら検査結果を入力できる。また、建物の3Dモデル(MR空間)を作成し、建物の平面図、立面図を重ね合わせて表示できる機能を搭載。クラウドプラットフォームのMR空間に外壁調査結果を記録できる。報告書も自動生成される。実証実験により、全体業務を約30%削減できることも判明した。

ここにきて、ネット環境や、MR技術そのものが進化し、実用化段階に来ている。新しい体験の提案や、生産改革につながるソリューションとして注目を集めそうだ。

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ハウジング・トリビューンVol.631(2021年22号)

特集:

2030年住宅への設置率6割は可能か
初期費用、条件不利地域へのソリューション

国は2030年に住宅での太陽光発電の設置率6割を目標とする考えを示した。
現状の設置率は1~2割とみられ、非常に高い目標と言える。
100万円以上を必要とする「高額な初期費用」や、十分な発電効率を得るのが難しい「条件不利地域」といった課題があるなか、住宅事業者は設置率6割に向けてどのように取り組んでいけば良いのか──。
住宅太陽光発電マーケットの最前線を追う。

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