大日本木材防腐、高耐久木材「和錬」を開発
外構部の木質化を推進
大日本木材防腐は、高耐久木材「和錬」を開発した。独自のエステル化処理を施すことで、木材の曲がり・割れ・反りを抑制することに成功。木材の風合いをそのまま生かし、デッキ、ルーバー、木塀などに利用できる。
木材は高湿環境では膨らみ、乾燥すると収縮する性質を持つ。この変化は、木材繊維中に存在する水酸基によるもので、高湿環境下では水と結合し繊維を膨張、乾燥下では水を手放し、繊維を収縮させる。
「和錬」では、カルボン酸とアルコールからエステルを生成するエステル化反応を応用した。カルボン酸と、アルコールの一種であるポリオールを加圧注入により木材内部に含浸させた後、熱処理を行うことで、ポリオールと木材のそれぞれがカルボン酸と反応し、木材繊維中の水酸基を改質化する。木材内に形成されたエステル樹脂により、湿気による含水率変化を抑え、木材の形状変化を軽減し、曲がり・割れ・反りの発生を抑制する。
また、安全性の高い防腐防蟻薬剤「モクボーAAC」を加圧注入することで、JAS保存処理性能におけるK4相当の防腐防蟻性能も付与した。
同社環境科学グループの市岡隆治 東日本工場営業チームリーダーは、「エステル化処理により、木材内外の割れの軽減により、腐朽の原因になる雨水の浸入をより高いレベルで抑制でき、耐久性の向上が期待できる。割れによる塗装の剥がれも発生しにくくなる。メンテナンスの手間を軽減しながら、長期使用が可能になる」と話す。
また、エステル化改質加工後、防腐防蟻薬剤処理後も、木材本来の自然の風合いがそのまま残ることも、和錬ならではの強みだ。
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