アイダ設計、省エネ性能の説明義務化を契機に提案力向上へ
社内勉強会の開催、独自ツールの作成など
アイダ設計は、2021年4月にスタートした省エネ性能の説明義務化をひとつの契機として、省エネに関する提案力向上に向けた取り組みを進めている。
2021年4月から開始された省エネ性能の説明義務化。建築士が建築主に対して省エネ基準への適合の可否などを説明することが義務化され、住宅企業も対応を求められた。
アイダ設計では、義務化が行われる前から社内に在籍する約100名の建築士を対象にした勉強会を実施し、省エネ性能に関する知識の習得を図ってきたという。
構造などに関する知識と比べると、省エネ性能に関する情報量が少ない建築士もいるだけに、現在でも継続的に勉強会の開催や外部のセミナーへの参加などを促している。
設計部に在籍する約30名を中心として、施主への説明責任を果たしており、同社の注文設計部 住宅研究課 中川照博氏は「限られた人員の中で、どれだけ丁寧な説明ができるかが課題になっている」と語る。
そこで、建築士にアンケートを実施し、対応や返答が難しかった事例などを集約し、Q&A方式で具体的な対応例を共有しているそうだ。
また、コロナ禍の影響もあり、リモートで説明を行うケースも多く、営業担当者などとも連携しながら、より効率的に説明を行えるよう工夫している。
営業担当者の事前説明が重要に
一方で、「建築士からいきなり省エネ性能について説明されても、なかなか理解してもらうことが難しい場合もある」(中川氏)という課題も分かってきた。そこで営業担当者が事前に施主に省エネ性能について説明するツールを作成した。
省エネ住宅の特徴や省エネ基準、さらには省エネ住宅のメリットを分かりやすく説明するものになっており、このツールを用いて営業担当者が事前に説明しておくことで、建築主からの説明時に理解しやすくなるというわけだ。
「省エネ性能の説明義務化によって、建築士も営業担当者も省エネに関する知識を深めるよいきっかけになっている」(同)。
同社では、「ハウス・オブ・ザ・イヤー・イン・エナジー」で4年連続受賞するなど、省エネ住宅の普及に注力しており、ZEHの提案も進めている。こうした商品面での取り組みに加えて、営業担当者や設計担当者の省エネに関する知識力を高めていくことで、さらなる提案力の向上を促していきたい考えだ。
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