木が求められる時代に材木屋を再定義 感動を与えられる商品・サービスを充実
長谷川萬治商店/長谷萬 代表取締役 執行役員社長 長谷川泰治 氏
長谷川萬治商店/長谷萬は、2021年に創業100周年を迎えた。
また、7月には、代表取締役社長に長谷川泰治氏が就任。
木へのニーズが高まる時代に、長谷川新社長は、「顧客のニーズのさらに一歩、二歩先を見越して、感動を与えられる商品・サービスを提案していきたい」と話す。
──住宅着工の減少、ウッドショックによる市場の混乱など、難しい環境下での社長就任となります。
近年、伐採期を迎えた国産材を有効活用していこうという機運が高まっています。また、SDGs、脱炭素といった観点からも、再生可能な素材であり、CO2削減に寄与する木材を積極的に活用していこうという動きが企業の間で加速しています。これまでは、木材の利用は、住宅や家具や内装材といった分野にとどまっていましたが、「木造でビルを建てたい」、「オフィス空間を木質化したい」といったニーズが高まり、これまで以上にいろいろな場所で木材が使われることが増えていきます。確かに、住宅需要の落ち込みはありますが、木材に対する新たな需要が高まり、新しいマーケットの創出が期待できるため、我々は、未来は明るいとポジティブに捉えています。
ただし、木が求められる時代の新しいニーズにしっかり対応していくためには、“材木屋の再定義”が必要だと考えています。我々が売りたい木を売るだけで、商売が成立する時代ではありません。社会が成熟化し、顧客のニーズが多様化する中で、一歩、二歩先を見越して、感動を与えられる商品やサービスを提供していけるように、材木屋を再定義し直し、組織、経営の変革を進めています。
──具体的にはどのような取り組みを進めているのでしょうか。
ニーズの多様化への対応の一環として進めているのが「セル生産」です。セル生産とは、多様性に対応するための生産システムのことです。人口が拡大していく時代は、コンベアで、同じものを大量に生産するシステムが求められましたが、今の時代は、小さなセルで、色や、微妙なスペック、また夏モデル・冬モデルなど、多様化するニーズに柔軟に対応できる少量多品種のものづくりが求められています。
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