GA technologies、売上高850億円3割増を見込む
不動産テック総合サービスの会員増が売り上げ増の貢献
GA technologiesは2021年10月期の売上高を前年比3割増の850億円と見込む。不動産賃貸から資産運用までのサービスを一気通貫で行う「RENOSY(リノシー)」の会員増が売り上げ増に貢献している。
いわゆる不動産テックと呼ばれる同社は3つの柱で事業を展開している。1つ目が「リアルとテックの融合」。リアルの組織を運営しながら、自社でエンジニアを抱えることで、一気通貫で顧客体験を上げている。2つ目が不動産の「借りる・貸す・売る・買う・投資する・リノベする」をというサービスをワンストップで行っている。3つ目は不動産業界全体のDXの推進だ。この3本柱を軸に事業を展開。同社の2021年10月期第2四半期の売上高は、248億円と前年同期を68%上回った。四半期ベースでは過去最高という。営業利益も7億円を超え、過去最高を記録した。第2四半期までの累計売上高は368億円で前年同期比5割増だ。今期の売上高を前年比31%増の850億円を見込む。
売り上げ増の要因の1つが「RENOSY(リノシー)」会員の増加だ。会員数は2021年4月末で20万人を超え、この1年で2.5倍以上に増えた。リノシーとは「住まい探しと資産運用を、もっとカンタンに。」をコンセプトに、住まいを「借りる」「買う」「売る」「貸す」「リノベーションする」、そして不動産に「投資する」という情報を一気通貫で提供する不動産テック総合サービス。これまで同社グループ会社のModern Standardが高級賃貸サイト「Modern Standard」を運営するなど、複数のサイトにまたがっていたサービスを統合したことで、タイプの異なる顧客の獲得につながった。GA technologies社長の樋口龍氏は「デジタルマーケティングにより会員数の質・量ともに増加し、不動産取引のオンライン化が大きく伸長した」と話す。
デジタル関連法成立でDX事業加速
今年5月にデジタル改革関連法が成立したことで、DXへの関心が今後、一段と不動産業界で高まると同社ではみている。不動産の賃貸借契約や重要事項説明に関してはオンラインで完結させることができるようになるなど下地が整ってきたためだ。同社は、電子入居申込、電子契約サービスの利用が一層広まるとみており、このタイミングにあわせて電子契約サービスを普及させていきたい考えだ。
さらに同社ではDXの動きが不動産売買にも広がることを見越した事業移管も活発に行っている。同社グループの「RENOSY X」が運用していた、売買物件の物件確認、広告掲載許諾、内覧調整等における不動産業者間のやりとりをオンライン上で完結させることが可能なSaaS型のシステム「2秒でブッカク!」をイタンジに業務移管した。また、不動産の販売図面をAI-OCRで読み取り、データに変換するシステム「ブッケンSCAN!」もイタンジに移した。樋口氏は「今後、賃貸管理会社、賃貸仲介会社だけではなく、売買仲介会社または不動産以外の事業領域にDXを推進し、M&Aを積極的に行っていく」と明かした。
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