〈住宅言論広場Agora〉コロナ禍で変わる買い物とまち
600 久保渓 社長 / 流通評論家 代田実 氏
住宅産業に関わる様々なテーマを取り上げ、業界内外の一線で活躍するトップランナーや有識者などが、独自の視点で分析、解説、提言する場「Agora」。今回のテーマは 「コロナ禍で変わる買い物とまち」。
移動しない価値を再認識、商圏は半径50m
600
久保渓 社長
分譲マンションの共用部に無人のストアサービス「Store600」を当社では提案しています。
棚に置く物品は、飲み物からお菓子、日用品、おもちゃなど様々です。マンションと言っても、そこでの暮らし方は、居住者のタイプによって異なります。
タイプによって販売する物品を変えていきます。例えば、ファミリー層が多いマンションであれば、子どもが楽しめるおもちゃなどを、単身世帯が多いところではコーヒーなどを用意しています。
コロナ禍で、3密による感染を心配する人が増え、マンションという閉鎖された空間で買い物をしたいというニーズは着実に増えています。サービス利用者の多くは、そのマンションに住む居住者のため、外出をしたくないのでスーパーやコンビニエンスストアの代替として利用するというイメージがあるかもしれませんが、決してそうではありません。
例えば、あるマンションでは地方の物産展をStore600で行いました。用意した商品は売り切れました。こうしたマンション入居者の反応を見て、百貨店や旅行で土産を買う代替としてStore600が利用されているということに気付きました。
コロナ禍で、外出を控える動きの中で、本来、足を運ばなければ買うことのできない物品をマンション共用部で購入できたわけですが、コロナが収束しても、こうしたニーズはさらに高まるのではないでしょうか。
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