2020年度決算 【住宅・設備編】

2020年度決算

【住宅】減収減益もオンラインで回復の流れつくる 21年度は19年度並みの水準に

大手ハウスメーカーの2020年度の決算は新型コロナウイルス感染拡大の影響を大きく受けたが、2021年度は戸建住宅の受注回復や海外事業の伸長などで2019年度並みに回復する予想だ。

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下期は好調
富裕層市場や分譲が伸長

コロナ禍のなか迎えた大手ハウスメーカーの2020年度の決算は、ほとんどの事業者で減収減益となった(表1)。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、上期は住宅展示場の一部閉鎖などによる営業活動が制限され、消費者の住宅購入マインドも下がり、戸建住宅やリフォームなどの受注が大きく落ち込んだ。一方で、下期は営業活動が徐々に通常に戻るとともに、オンライン商談なども進んだ。また、消費者の住宅購入意欲も徐々に上向き、受注が回復傾向となってきたことから、通期では減収減益となるも、想定していたよりも落ち込みは少なく売上高は一桁台の減少、営業利益は一桁台から大きくても10%台に抑えた形だ。

セグメント別に見ていくと、戸建住宅事業は、コロナ禍の影響でほとんどの大手ハウスメーカーで販売・受注戸数が減少した(表2)。

ただし、先述したように、上期は住宅展示場閉鎖などにより、販売・受注戸数は減少したものの、多くの事業者では下期は回復傾向となっている。

例えば、ミサワホームの受注は8月以降増加し、一時減少したものの3月からは再び増加に転じている。パナソニック ホームズも7月以降は増加傾向で2020年度の受注は前年度比4%増となった。

オンラインを活用した営業提案が、回復傾向の流れをつくった。

住友林業は販売戸数は前年度比4・8%、受注は前年同一期間を上回る水準に回復したが、同社の家づくりをウェブ上で体験することができる「MYHOME PARK(マイホームパーク)」を展開するなど、WEBを用いた受注活動が奏功した。
旭化成ホームズも、第3四半期からは回復基調で、直近の4月の受注は一昨年を上回る水準となっているが、好調の大きな要因の一つがオンラインによる集客の効果が出てきたことだ。同社では従来は建築現場、新築入居宅、築30年以上の入居宅を見学するバスツアーを行っていたが、最近はこれをオンラインで行っており、「リアルなバスツアーを代替するほどの効果を上げている」(川畑社長)という。


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