2020年度決算 【不動産事業者・建材メーカー編】
【不動産】コロナの影響で減収減益目立つ 堅調な住宅事業が落ち込みをカバー
デベロッパー大手5社の2021年3月期の決算が出そろった。
新型コロナウイルスの感染拡大による商業施設やホテル事業などの不振から、増収した三井不動産を除き、減収減益となった。
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大手5社で唯一、増収となった三井不動産。大きな要因の1つが、国内住宅分譲事業が堅調に推移し、他の事業の落ち込みを支えた形だ。住宅事業でプラスだったのは三井と東急不動産HD。他の3社は前期を下回った。計上戸数が増収、減収の分かれ目となったところが多く、減収だった企業でも、「(コロナ禍で)期初に懸念していた影響はそれほど生じていない」(三菱地所・吉田淳一社長)とみている。
住宅事業が他の事業不振をカバー
三井不動産の分譲事業の営業収益は7147億円で前期比36.3%増、営業利益は前期比4.5%減の1182億円だった。国内外ともにマンション販売が好調だった一方で、前期に高利益物件を売却した反動による海外住宅分譲の減益が影響し、増収減益となった。
国内マンションの営業収益は2902億円(前期比22.9%増)、計上戸数は3775戸で前期に比べ18.1%多かった。戸当たりの単価は7689万円で前期より4%上げた。決算説明会で菰田正信社長は「住宅は非常に堅調で、都心の高額物件も相変わらず好調」と話す。また、コロナ禍によるリモートワークの進展で、「お客さまのニーズが多様化し、郊外でも拠点性のあるところに近いところは売れ行きがいい」(菰田社長)と明かす。
東急不動産ホールディングス(HD)の住宅事業は増収減益だった。売上高は1463億円(同7.3%増)、営業利益は84億円(同1.2%減)。西村和浩執行役員は決算説明会で「第1四半期は緊急事態宣言中のモデルルームの閉鎖に伴い、営業活動が制限されたが、分譲マンションは、計上戸数増加などにより増収となる一方、マンション粗利率の低下や販売費用の増加などで微減益となった」と話す。
三菱地所と野村不動産HD、住友不動産の売り上げは前年を下回った。
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