いえらぶGROUP、ライフライン取次サービスの導入3000社超す
紹介料が不動産事業者の安定した収益に
不動産テックに特化した業界垂直統合SaaS「いえらぶCLOUD」を提供する、いえらぶGROUPが展開する付帯事業「ライフライン取次サービス」を導入する不動産事業者が3000社を超えた。
同社は2008年に設立した不動産×ITサービスの運営会社。不動産事業者の日常業務を支援するクラウドサービス「いえらぶCLOUD」の利用者数は現在、全国で1万2000社以上に上る。その業務支援の一環として提案するのが「ライフライン取次サービス」だ。
賃貸住宅に入居が決まった住まい手は、電気・ガスなどのライフラインやインターネットなどの契約をそれぞれの事業者と結ばなければならない。入居者にとっては引っ越しでの煩わしい手続の1つだ。入居する部屋には、こうした事業者の契約書類がまとめて置かれていることもあるが、多くは、そこで終わり。やはり入居者が、それぞれの書類などを書き込み、手続きをするケースが少なくない。そこで物件を成約した客へインターネット回線やウォーターサーバー、電気、ガス、水道局の連絡先などを案内し、入居者の新生活をサポートするライフライン取次サービスを展開。いえらぶCLOUDを活用し、ライフライン取次サービスを利用する不動産事業者から物件を成約した入居者は、新生活時に発生する様々な手続から解放されるという。
そんなライフライン取次サービスを導入した不動産事業者が今年2月に3000社を突破したが、関心度の高さは入居者の利便性向上だけではない。
入居者がインターネット回線やウォーターサーバーなどを契約すると、不動産事業者にインセンティブが支払われる。しかし、多くは紹介料という名目のため、入居者が契約しないとインセンティブは支払われないという。同社は、こうした従来の成約型ではなく、インターネットやウォーターサーバーなどが成約に至らなくても紹介料を不動産事業者に支払う仕組みを構築。「客への紹介が確認できた段階でインセンティブを支払う。紹介の数だけ収入になり、安定した収益を得ることができるため、ライフライン取次サービスへの関心が高まっている」と話す。
ライフライン取次サービスは14年から開始しているが、16年4月の「電力小売りの全面自由化」や17年4月の「都市ガス小売りの全面自由化」以降、関心が高まっている。「使用電力・ガス切り替えを検討する最大のタイミングは、不動産物件の契約時。不動産業界ではその優位性を生かし、新たな領域での収益を拡大しようと新電力の代理販売事業に高い関心を寄せている」とみる。利用者が1万2000社を超えた、いえらぶCLOUDだが、「ライフライン取次サービスを活用したく、利用する事業者もいる」(同社)と明かす。同社は今後もライフライン取次サービスで取り扱う商材を拡大していく考えだ。
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