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2021.6.28

賃貸住宅管理業法が15日から全面施行

管理受託をめぐるトラブル発生抑制へ

200戸以上の賃貸住宅を管理する事業者に国への登録を義務付ける、賃貸住宅管理業法が6月15日、全面施行された。これを受け、スマートフォンを使って簡単に報告書が作成できるサービスなどを提案する動きも相次いでいる。


同法は2020年に成立した新法だ。サブリース規制と、賃貸住宅管理の受託事業者をめぐるトラブルの発生を抑制する――視点から設けられた。

サブリース規制に関しては既に昨年12月に施行。全てのサブリース業者に対し、勧誘時における、故意に事実を告げず、又は不実を告げるなどの不当な行為を禁止することなどが制度として確立された。違反者に対しては、業務停止命令や罰金などの措置により、実効性を持たせている。

賃貸住宅管理業に係る登録制度の創設
アットホームが始めたサービスの流れ

15日から施行されたのは賃貸住宅管理の部分だ。賃貸住宅の管理は、高齢化などを背景に、オーナー自らではなく、第三者に委託するケースが多い。国土交通省によると、管理業務を事業者に委託するオーナーは2019年度で81・5%。1992年度に比べ3倍以上に増えている。一方で、管理事業者への苦情も増えており、全国消費生活情報ネットワークシステムに寄せられた苦情・相談件数をもとに国交省がまとめた資料によると、既に年間7000件を超えており、10年で約7倍に。トラブル例として、賃料・敷金などが入金されていなかったり、管理業務の内容への認識がオーナーと事業者で一致していなかったり、事業者から管理業務に関する報告がなく対応状況の把握ができないなどがある。こうしたトラブルに対応するため、国は法律を制定し、賃貸住宅管理業への登録制度を導入。登録を義務付ける事業者は管理戸数200戸以上だが、同省では「今後多くの賃貸住宅管理業者が登録することを考慮すると、管理戸数が200戸を超えない小規模な賃貸住宅管理業者でも、社会的信用力を確保するにあたって登録を受けることを推奨する」としている。
オーナーへの定期的な報告や管理受託契約締結前に書面を交付し重要事項説明を行うことなども義務付けた。また、事務所ごとに、賃貸住宅管理の知識・経験等を有する者(業務管理者)を配置することも新たに求められる。業務管理者は管理業務の管理及び監督をする責任があり、各営業所もしくは事務所に1名以上配置する必要がある。他の営業所・事務所との兼任は不可で、業務管理者が管理・監督できない状況下では管理受託契約を締結してはならないことになっている。管理する家賃などは、自己の固有の財産などと分別して管理することも義務付けられた。管理事業者とオーナーとの金銭的なトラブルを避けるためだ。法では、賃貸住宅管理業者の固有財産の口座と管理受託契約に基づく管理業務において受領する家賃、敷金、共益費その他の金銭の口座を分別した上で、管理受託契約ごとの金銭を区別した帳簿を作成すること等により分別管理を行うことを求めた。

新法全面施行で
新たなサービス投入

不動産管理をする事業者にとって、今回の登録制度の創設などでの取り組みは、事業を継続する上で避けては通れない。同法の全面施行をビジネスチャンスとして、管理事業者をサポートするサービスが相次いで投入されている。

アットホームは、グループ会社が開発・運用するスマートフォンやタブレット端末を使って写真付き報告書の作成やオーナーへの報告が簡単に行えるサービスの提供を始めた。「これまでも報告書を作成する事業者はあった一方で、口頭で説明するところもあり、会社の方針によるところが大きかった」(同社)という。こうした事業者任せであったオーナーへの定期報告が法律で義務付けられたことを受けた対応で、「義務付けられている全てをカバーしているわけではないが、6月1日にサービスを発表して以降、問い合わせはある」と話す。

いえらぶGROUPは、賃貸管理業務のDXを促進するサービスの機能をアップデートした。法律では、管理受託契約締結前の重要事項について、具体的な管理業務の内容や実施方法などを書面交付し、説明することを義務付けたことから、法律に対応した書類の出力ができるようにした。出力できるのは、賃貸住宅管理委託契約書や賃貸住宅管理委託契約重要事項説明書、住戸明細表、特定賃貸借契約書、特定賃貸借契約書重要事項説明書など。

また、法律では新たに事業者の財産と賃貸住宅の入居者などから受け取る金銭を分けて管理することも事業者に求めた。サービスでは、オーナーから預かっている財産の分別管理をすべき金額の確認を可能とするため、「預り金一覧」「預り金履歴一覧」を含む入出金機能を拡充した。他にも、小規模・高頻度の作業が発生する建物メンテナンス業務に特化した業務管理クラウドサービスを展開するBPMや不動産市場のDXを推進するいい生活も、法律に対応したサービスの提供を始めている。

200戸以上の賃貸住宅を管理する事業者に登録を義務付け、国は不良事業者の排除に動き出した。国交省は「賃貸住宅を管理する事業者の母数は把握できておらず厳密な試算はできていないが賃貸住宅の90%以上をカバーできるとみられ、トラブル発生の抑制につながる」と期待する。

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特集:

蓄積されるエビデンスの最前線

住まいの温熱環境が居住者の健康を大きく左右する──そのエビデンスが着実に蓄積されつつある。
断熱性や気密性を高めることは暮らしの快適性につながるだけでなく、健康にも影響することは従前から指摘されてきたが、これらは経験や体験に基づくものであり、医学的なエビデンスに裏打ちされたものではなかった。
しかし、ここ10年間ほどの間に温熱環境と健康に関する研究が進み、その成果がまとまり始めている。
温熱環境と血圧、睡眠、虚弱、皮膚疾患などとの関係が明確になりつつあるのだ。
高性能住宅は、省エネ性や快適性などだけでなく、こうした健康面での価値を持つ。
住まいづくりも大きく変わりそうだ。
それぞれの分野の学識経験者に、研究の最前線、その影響などについて聞いた。

住まいと健康
慶應義塾大学理工学部システムデザイン科 教授 伊香賀俊治氏
温熱環境と睡眠
関西大学環境都市工学部建築学科 教授 都築和代氏
温熱環境と高血圧
自治医科大学循環器内科学部門 教授 苅尾七臣氏
温熱環境と皮膚疾患
岐阜工業高等専門学校建築学科 教授 青木哲氏
温熱環境と虚弱
北九州市立大学国際環境工学部建築デザイン学科 准教授 安藤真太朗氏

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