2020.9.30

吉田東光、管理・監視カメラが好調に推移

人手不足、コロナでニーズが高まる

人手不足を背景に現場の省力化が求められている。こうしたなかで注目を集めるのがネットワークカメラ。吉田東光(埼玉県さいたま市・吉田 顯 代表取締役)の「現場見守る君」は、ハウスメーカーや工務店などで採用を急速に伸ばしつつある。

吉田東光の「現場見守る君」

コロナ禍、また、現場の人手不足のなか、2015年からレンタルを開始したネットワークカメラ「現場見守る君」の需要が高まっている。レンタル台数(新規+継続)は右肩上がりを続けており、昨年11月に1000台を突破、この8月は1132台と過去最高を更新した。

「現場見守る君」は、SIMを搭載しネット工事が不要で、単管・ポールに簡単に取り付けられ、電源を取るだけですぐに使える手軽さが特長。左右180°、下90°の広範囲な映像をスマホやタブレットなどでライブでみることができる。赤外線暗視機能により夜間の撮影も可能で、録画機能だけでなく最大7日間、720枚/日の静止画をサーバに保存し、後にユーザーがダウンロードすることもできる。

このカメラを1台当たり月額1万5000円(初期費用0円)でレンタル。故障や盗難などの無償対応なども含め、月額料金だけですべてのサービスを利用することができる。

レンタルのほとんどが建築現場で使われており、ユーザーはゼネコンやハウスメーカー、ビルダー・工務店などが中心だ。そのほか最近では大規模修繕会社などでの採用も進んでいるという。

戸建住宅の現場では一現場一台の導入が通常の使われ方。導入の目的は、工事業者や資材の出入りの確認、職人の入退場の時間の確認、現場の状況把握、安全面のチェックなどが代表的で、特に遠隔地の現場ではその効果は大きい。また、迷惑行為の抑止にもつながっているという。

吉田東光は、生コン・ポンプ車の手配や、鉄筋・金物、また、エクステリアの販売を手掛ける企業。今後も、注文住宅や分譲住宅といった戸建住宅の現場を中心に「現場見守る君」の拡販を進め、建設資材販売との相乗効果を高めていきたい考え。

「現場見守る君」の導入で、遠隔地であっても現場の状況などを確認することができる

8月8日には「現場見守る君」シリーズに広角ワイドタイプを追加しバリエーションの拡大を図った。「現場の管理や監視のためのカメラは、商品スペックだけでは他社と差はつけづらい」(市場開発課・小野佑一課長)と、取り付け・改修の有償サービスや、SIMなどの故障に対する確認・交換などの付加価値を訴求する。また、現場からの声を拾い製品に反映していくことで、ユーザー満足度を高めていく。例えば、現場で音声を流したいといった声が届いており、カメラに外付けのスピーカーを搭載する試作などを行っている。「軽いフットワークの対応力を武器に差別化を図る」(小野課長)と、戸建住宅を扱う事業者に向けた提案に力を入れていく。