自由の制限で読書を完遂しやすく 中庭などで家でのオンオフの切り替えを
fuzkue店主 阿久津隆 氏
東京の初台と下北沢に、「fuzkue(フヅクエ)」という店がある。本を読みたい人がいかに気兼ねなく心行くまで本を読めるかを第一に考え、いくつかのルール、独自の料金システムが設けられており、「今日はがっつり本を読むぞ」という人にとって、この上ない快適な場所であることが約束されている。どのような経緯でfuzkueは生まれたのか。住まいづくりに応用できることはないのか。店主の阿久津隆氏に聞いた。

1985年、栃木県生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒業後、金融機関に入社。3年間営業として働いた後、2011年、岡山でカフェを立ち上げ店主として働く。2014年10月、東京・初台に「fuzkue」をオープン。2020年4月に2号店を下北沢にオープン。主な著書に『本の読める場所を求めて』(朝日出版社)など。
──fuzkueでは、読書をする人同士が顔を合わせることもなく言葉を交わすこともないまま、互いを勇気づけ合い、肯定し合い、敬意を表し合い、緩やかなつながりが自然とできるように工夫されています。心地よく本を読むためには、意外にも他者という存在が重要になる。目からウロコというか、面白いです。
他者に敬意を払うのは、礼儀として要請されるからだけではなく、積極的な効用があるからでもあります。他者に親切にできたときと同じように、他者に敬意を払えたとき、私たちの脳内では幸福を司る「報酬系」が刺激されているはずです。他者への敬意は、折り畳まれて他者へ敬意を払えた自分への敬意にもなるし、他者から敬意を感じたら自分も他者に敬意を払いたくなります。他者への敬意の欠如と自己への敬意の欠如が両輪であるように、その対極で敬意は敬意を呼び増幅させます。fuzkueがやっているのも突き詰めてしまえば、読書をしに来た人たちが互いに敬意を払いやすいような環境を用意することに尽きます。
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