2020.7.30

ポラスグループ・中央住宅、市民農園利用権付きの分譲住宅を販売

住民間の新たなコミュニティー形成として注目

ポラスグループ・中央住宅は、埼玉県春日部市に、市民農園利用権が付いた分譲住宅の販売を始めた。“農”という新たな切り口での住民のコミュニティー形成の方法として注目されそうだ。

「ハナミズキ春日部・藤塚」の街並みイメージ

同社戸建分譲第一事業部が7月から分譲を始めたのは「ハナミズキ春日部・藤塚」(全22邸)。最大の特徴は、それぞれに市民農園利用権が付いていることだ。分譲地の隣地に農地を持つ農家が、その農地を市民農園として開設。市民農園を開く農家との間で、農園利用契約を結ぶことで、市民農園利用権が確保できる仕組み。最初の5年間は、同社と農家との間で契約を締結し、その間の利用料は同社が負担する。6年目以降は、入居者で組織する管理組合が農家と農園利用契約を結ぶ。

農家と農園利用契約を結ぶことで、分譲地の住民だけが利用できる市民農園となり、「住民同士のコミュニティーの醸成も図れる」(同社)と期待する。この市民農園の広さは約300㎡。野菜栽培などの経験のない住まい手でも、“農のある暮らし”を実現できるように、この取り組みに協力する農家が、栽培を指導するという。

分譲地の敷地面積は全邸それぞれ200㎡以上あり、隣棟間隔は1m以上、開発道路幅員は6mある。軒を出した建物プランを採用し、夏は日差しを遮り、冬は暖かな光を取り込むことができる。ゆったりとした敷地のため、庭の作り込みも可能に。街区内に平屋住戸を5邸用意することで、街区全体のゆとりを生むランドスケープデザインとなっている。

また、同市では初となる、景観法に基づく景観協定を、住民同士で締結を予定する。これにより、建築物の改修や改築、植栽の変更などは協定により決められた範囲内に制限される。フットパス・街角広場の維持管理についても住民共同で維持管理する仕組みとなっているため、住民が主体となって、美しい街並み保全と育成が図られることになる。3期までの販売を計画。既に販売が始まった1期では10邸、価格は2880万〜3580万円(税込み)。

取締役戸建分譲第一事業部長・成瀬進氏
食と住を兼ね備えた分譲地

 市民農園利用権が付いている分譲地は、ポラス初の取り組みです。医食住とありますが、その中の食と住を兼ね備えています。少し前に田舎暮らしが流行った時期もありました。また、平日は都会で暮らし、週末は田舎暮らしという2地域居住も話題になりましたが、なかなか定着しないのが実情です。「ハナミズキ春日部・藤塚」は、農園があり、都心から約30㎞圏内にという近場にあり、都会と田舎暮らしの両面を提供できると期待しています。