2020.4.21

スウェーデンハウス 賃貸住宅事業に本腰、ラド・ヒュースの販売強化

売上高5年後に10倍を目指す

スウェーデンハウスは賃貸住宅事業に本腰を入れる。スウェーデンハウスプロデュース(SHP)と位置付ける「RAD HUS(ラド・ヒュース)」の販売を強化。5年後に賃貸事業の売上高を10倍に拡大する考えだ。

埼玉県新座市に竣工した「ラド・ヒュース」

同社の戸建住宅は、開口部に木製サッシなどを使い、高気密・高断熱を実現するのが大きな特徴。ワングレード・ハイスペックという考え方がベースにあるため、これまでにラインアップしてきた賃貸住宅「スウェディッシュメゾン」でも木製サッシを使うなど戸建と同じ仕様に。品質の高い住宅を賃貸でも提供してきた。

ただ、木製サッシを例にすると、日常的なメンテナンスが欠かせないが、手入れを入居者に求めることは難しい。賃貸住宅のオーナーからはメンテナンス負担の少ない商品を求める声もあった。このため、同社は高耐久性や快適性といった特性を維持しながら、新たな構造・仕様の商品としてSHPをブランド化。その1つとしてラド・ヒュースを2018年から売り出した。ラド・ヒュースの壁と床は、あらかじめ国内工場で製造された大型パネル部材を組み上げて構成。外壁は2×6材、内壁は2×4材を使用する。樹脂とアルミの複合サッシを使い、Low-E複層ガラスを標準採用する。デザインは、現代的な北欧のデザインを採り入れた洗練のフォルム「MODERNA(モダーナ)」と伝統的建築をモチーフとした味わい深いデザイン「KLASSISK(クラシーク)」の2つがある。汚れや水濡れを気にせずに、入居者が趣味を生かした空間づくりを楽しめるよう、タイル床のサンルームも標準仕様としている。

ファミリー層へ訴求

このほど埼玉県新座市でメゾネットタイプの「ラド・ヒュース」が竣工した。2階建ての北欧風の青い外観や室内の木質の壁などが特徴。3戸全ての入居は決まっているという。この賃貸住宅のオーナーは付近一帯で賃貸住宅を運用している。運用する賃貸住宅は竣工から30年を過ぎ、建て替え時期を迎えている。オーナーは「近隣に学校やスーパーなどがあるため、ファミリー層が長く住んでいます。多目的に使えるサンルームなどファミリー層が喜ぶ仕様が気に入り、ラド・ヒュースを選んだ」と話す。

賃貸住宅事業のけん引役を期待

現在、同社の賃貸住宅事業の売上高は年間で4、5億円という。同社は「ラド・ヒュース」を今後、積極的に売り込み、「ラド・ヒュースがけん引役となり、5年後には賃貸住宅事業全体の売上高を40、50億円に引き上げたい」と営業企画部長の大川保彦氏は意欲を示す。