NTTとパナ、卒FITの電力買取りで新提案
蓄電池とセットで最大16円で買取り
NTTスマイルエナジーはパナソニック ライフソリューションズ社(以下、パナソニック)と連携し、「卒FIT世帯」の余剰電力買取りで新提案を行う。パナソニック製の蓄電池も併せて導入することで、大手電力会社の約2倍で買い取る。
2019年11月から、太陽光発電の余剰電力でFIT(固定価格買取制度)の買取期間が終了する世帯(卒FIT世帯)が53万件も発生する―。こうした「2019年問題」が話題となっている。
卒FIT世帯の余剰電力の売電先が不透明な時期もあったが、電力会社やガス会社、ハウスメーカーなどが、次々と買取りを行う方針を発表。ここにきて各社の買取単価も明らかになり競争が激化し、卒FIT世帯向け電力買取市場はにわかに活気付いている。
こうしたなか、単純な買取りだけでなく、独自の新提案を行う動きが出てきた。NTTスマイルエナジーはパナソニックライフソリューションズと連携し、2019年11月から、卒FIT世帯向けの余剰電力買取プラン「エネPlus」の提供を開始する。
「エネPlus」の買取り価格は、1年間の限定ではあるが、kWhあたり最大16円(税込・消費税率10%・東京エリアの場合)と他社に比べて高い。卒FIT世帯向けの買取り価格は東京電力が8.5円、東京ガスは10.5円、東急パワーは10.9円であり、「エネPlus」が頭一つ抜けている。
買取り価格を高く設定している理由は、パナソニック製の蓄電池、NTTスマイルエナジーの太陽光発電遠隔監視サービス「ちくでんエコめがね」等の導入を要件としているため(蓄電池の購入は必須)。プレミアム価格で電力を高く買い取ることと引き換えに、蓄電池などの太陽光発電の自家消費に貢献する商材を導入してもらい、ここで収益を上げていこうという狙いだ。「『エネPlus』の真の目的は、自家消費市場の拡大。電力買取自体で大きな収益を上げたいとは考えていない。弊社やパナソニックの商材の導入で電力の自家消費を促し、自家消費しきれない分はプレミアム価格で買い取ることで、自家消費市場を広げていきたい」と、NTTスマイルエナジーの小鶴慎吾社長は話す。
今年11月まで半年を切り、卒FIT世帯向けの余剰電力買取で買取価格競争が激しくなってきている。それだけに、今後はNTTスマイルエナジーとパナソニックのように、電力の買取り自体ではなく、他で稼ぐ新たな提案が増えてくる可能性もありそうだ。
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