農業を活かす収穫体験のできるキャンプ場に海外客が注目 ビジネス向けの提案なども強化
case2. 千葉県山武市その②
「有野実苑(ありのみえん)オートキャンプ場」を運営する有野実産業株式会社代表取締役鈴木章浩さんは農家として6代目となる。代々農業であったが鈴木章浩さんのお爺さんが65年前、1953年に観光梨園を始めた。当時としては画期的な試みだった。そのあと鈴木さんのお父さんが観光に加えて造園業を始めた。その頃は、多くの住宅地が生まれたから造園業は大きく注目された。その後、25年前に始めたのがオートキャンプ場だった。それを引き継いだのが6代目となる鈴木章浩さんだ。
「25年前はアウトドアの全盛期。30区画から始まりました。そのあと、雑木林や梨、柿畑を利用し拡大し今では85区画あります。畑や宅地、山林などに該当しない『雑種地』になっています。私が継ぐことになったのはちょうど梨が老木になり更新時期。でも梨の管理が大変だと知っていたので、すべて伐採しました」。
キャンプ場としてやっていくことになったが、当時は、各地の施設と異なり、近郊に湖、山、川、海などのキャンプをする最適な要素がないと、関係者から指摘をうけたという。
農業がオートキャンプ場をという展開は事例がない。鈴木さんは、体験を取り込んだ農業を発展させたところの視察、オートキャンプ関係の勉強会などに行き、独自にノウハウを形成していったという。どう特色を出すかと考え、もともとの農業を活かす収穫体験のできるキャンプ場が生まれた。
「父も畑づくりができるし、畑で働いてくれた人もいる。私も農家のせがれで畑づくりはできる。畑で1年中収穫体験をしてもらおうと作っていった。梨をやめたのは残念だったけど、当時、新しい果樹として注目されたブルーベリーを仕入れ300株を入れました。今は、落花生、さつまいも、サトイモ、ピーマン、ルッコラ、ラデッシュ、枝豆、栗、トウモロコシなど50種類を栽培しています。レストランは、40年前に観光梨園に来た人が食べる場が必要と、父が、ジンギスカンを始めた。それを3年前にイタリアンのシェフにこの場所が気に入ってもらい来てもらい、今の形になりました」と言う。
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