70歳になっても働きたい 収入ではなく健康や生きがいが目的
花王 生活者研究センター「現在働いている60代男性たちの仕事への意欲・働き続ける理由」
花王 生活者研究センターによる55~74歳の今後の就労意向がある有職男性を対象とした調査で、50代までとは働き方や時間の使い方で変化が出ていることが分かった。
現在働いている60代男性の9割が「年齢に関係なく、元気なうちは働きたい」と考えており、65~69歳に限ると8割以上が70代になっても働きたいと考えている。かつて60歳は現役引退の節目とされていたが、人生100年時代にその年齢は高まっているようだ。
現在仕事をしている理由を聞くと、60代前半は「生活維持のため」が7割以上と多数であるが、年金支給開始年齢の65歳を境に「健康のため」「規則正しい生活ができる」「人との交流ができる」が増え、「生活のため」は約5割に減少する。「年齢とともに教育費や住宅ローンなどの負担が軽くなることも背景にある」と分析されているが、働くことは経済的な理由にとどまらず、今後の人生をよりよく生きるための手段の一つになっているようだ。
一方、60代の理想の働き方は「自分のペースで仕事をする」が5~6割と高く、次いで「今までの経験やスキルを活かす」が続いている。逆に「フルタイムで働く」は年齢が高まるとともに減少していく。
また、現在大切にしていることは「配偶者と過ごす時間」が最も高く、また、年齢が高くなるにつれて割合も高まっていく。続いて「趣味・友人」、「ひとりで過ごす時間」であり、自分のペースで仕事をしながら、それ以外の時間を配偶者や友人と過ごしたいと思っている。
働き方や時間の使い方が変わったことで、「家族」や「自分」に向き合う時間を持てるようになり、これからはその時間を楽しみたいという声が多く聞かれる。「家族や自分のこれからの人生を大切にしたいからこそ、健康の重要性を感じている」とまとめられている。
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