ポスト新型コロナ

変わる住まい・変わる住宅産業

テレワークが当たり前の時代
住まいに求められる“働きやすさ”

“新型コロナウイルス”の渦中にある2020年。
外出自粛、営業自粛、在宅勤務など、これまで経験したことのない暮らしを強いられることになった。
住宅産業界も大きな影響を受けた。
在宅時間が増えるなかで、あらためて見つめ直されたのが「暮らし」であり、その場である「住まい」だ。
緊急事態宣言は解除されたが、暮らしが“コロナ以前”に戻ることは難しい。
コロナ禍を経た、ポストコロナの時代に住まいは、そして住宅産業はどう変わっていくのか──。

新型コロナ感染拡大防止対策として大きく進んだテレワーク。しかし、在宅で仕事をするという環境が整わないなかで、住宅側の課題も浮き彫りになった。仕事がしやすい住まいづくりの提案が相次ぎ始まっている

テレワーク実施率が拡大
都内企業は6割超えに

2月25日、政府は特別措置法に基づく「政府対策本部」を設置し、新型コロナ感染拡大を防ぐための「基本的対処方針」を決定した。ここで打ち出された対策の一つがテレワーク(在宅勤務)の推奨である。

国土交通省の令和元年度「テレワーク人口実態調査」によると、雇用型就業者のうちテレワーカーの割合は14.8%(前年度比1.8ポイント減)、自営型就業者は20.5%(同3.5ポイント減)であった。国はテレワークの普及を推進しているが、これまで急激な拡大には至っていなかった。(一社)日本テレワーク協会の富樫美加主席研究員によると、これまでテレワークが普及してこなかった大きな理由は、①取り組む余裕がない(資金、時間)、②取り組みたくてもICTツールの専門知識がない、③自社だけで実施しても周りが実施していない──ことであるという。

皮肉ではあるが、新型コロナ対策がその普及を大きく後押しすることになった。経済産業省は948関係団体に在宅勤務の推進を要請し、厚生労働省が「働き方改革推進支援助成金」でテレワークを導入する中小企業を支援するなど国の支援も相次いだ。厚生労働省がLINEのサービス登録者に対して行った「新型コロナ対策のための全国調査」第3回(4月12~13日))によると、テレワーク実施率の全国平均は26.83%。東京都が実施した『テレワーク「導入率」緊急調査』によると都内企業の導入率は62.7%に及んだ。「新型ウイルス収束後はテレワークが定着する可能性が高いと考える」(富樫主席研究員)とみられる。

不満は集中できないこと
仕事がしやすい提案が活発化


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