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2018.11.20

コンパクトキッチンの進化 小さくても意匠性や使い勝手を実現

料理はしないがおしゃれなキッチンが欲しい!

コンパクトキッチンの姿が大きく変わりそうだ。これまでコンパクトキッチンというと、賃貸住宅向けで小さく使いづらいというイメージがあったが、都市部などでミニマムな暮らしが広がるなか、デザインや使い勝手にこだわるニーズが高まっている。あえてコンパクトキッチンを、そんな選択肢が広がってきた。

ライフスタイルの多様化に伴い、近年は様々なスタイル・デザインのキッチンが市場に投入されている。特に家族のコミュニケーションの場としてのLDK提案が増えたことにより、キッチンを暮らしの中心に据えることが多くなった。こうした動きにともない、キッチンの高機能化・高デザイン化が急速に進んできた。

一方で、近年、若年層や高齢者の夫婦2人世帯などの人口の都市部への集中が進み、積極的に賃貸住宅を選ぶ層やミニマムな暮らしを求める人も増えてきた。集合住宅や都市部の狭小な戸建住宅などで採用されてきた“小さければ良い”というコンパクトキッチンに利便性や使い勝手、こだわりの空間にマッチするデザイン性などが求められ始めている。

ミニキッチンの販売を専門に行う亀井製作所は、「売上は横ばいだが、狭小住宅だけでなくあえてコンパクトキッチンを使いたいというニーズが出てきた」と話す。市場が拡大しているというよりも、その深化が始まったと言っていいだろう。

小ささを活かして家族のコミュニケーションを育む、こだわり層に向けて高い意匠性を追求する、小さいながらも使い勝手や利便性を高める、そんな動きがキッチン業界で広がっている。

狭小住宅にも納まるサイズながら家族だんらんを演出

高級・大型キッチンのブランドを築いてきたトーヨーキッチンスタイル(清本英嗣 取締役社長・名古屋市名東区)は、「アイランドキッチンを使いたいが部屋が狭くて難しい」という要望にも応えるため、今年5月にアイランドキッチン「i kitchenキューブ」を販売、コンパクトキッチン市場に参入した。

若年層の夫婦2人世帯や小さな子どもがいる家族をメインターゲットに、都心のマンションや狭小住宅でも納まるよう縦横ともに120cmと小型化。主流の長方形ではなく正方形を採用し、限られた住空間でも料理を楽しみながら家族の会話が弾むキッチンを目指した。両手を広げて端から端までカバーできるため、コンロもシンクも使いやすいのが特長だ。「正方形のキッチンは新しい取り組み。キッチンを中心とした暮らしの楽しさを提供していきたい」と話す。問い合わせも多く、好調な滑り出しという。

亀井製作所(亀井伸一 代表取締役社長・岐阜県加茂郡)では、家族と向き合いながら料理をすることも家族のひとつの在り方だと考え、コンパクトキッチンにおいて対面式スマイルキッチン「エフ」を開発、本格的な対面キッチンの提供を始めた。エフは“会話を楽しむ”暮らしを提供するため、奥行広めのカウンターを採用し、会話が生まれやすいように配慮している。コンパクトサイズでありながらも大型調理器やキッチン用品の収納が可能な両開きキャビネットを備えることで、使いやすいキッチンを目指した。また、カラーには36色を用意し、好みや空間のテイスト、インテリアなどと合わせてカラーコーディネートができるようにした。

トーヨーキッチンスタイルが今年5月に発売した「i kitchenキューブ」では主流の長方形ではなく正方形を採用している
亀井製作所の対面式スマイルキッチン「エフ」。“会話を楽しむ”暮らしを提供するため、奥行広めのカウンターを採用し、会話が生まれやすいように配慮した

小さくてもカッコいい! 高いデザイン性を追求

空間にこだわりをもつユーザーにも応えるため、より高いデザイン性を追求する動きも進む。

サンワカンパニー(山根太郎 代表取締役社長・大阪市北区)は「Minimalism(最小限)」をコンセプトに掲げ、一貫して無駄を省いたシンプルで美しいデザインのコンパクトキッチンを提案する。金属の質感と薄い見付けが印象的なスチールコンパクトキッチンの「センシー」は、ワークトップや側面を極限まで薄くすることで、シンプルかつシャープで洗練されたデザインを実現。エンボス塗装を施したキャビネットに、汚れが目立ちにくい加工を施すことで日々の手入れを軽減する。

今年の「ミラノサローネ国際家具見本市」で同時開催されたキッチン見本市「エウロクチーナ」では、「The Impact of Compact」をテーマに320平方メートルのブース内に小さなキッチンを8台展示することでコンパクトキッチンの可能性を提案した。「大きなキッチンがすべての家に入るわけではない。小さくてもかっこいい、使いやすいキッチンがこれから一層求められていく」と同社は話す。

サンワカンパニーはスチールコンパクトキッチン「センシー」を販売している。キャビネットに汚れが目立ちにくい加工を施すことで日々の手入れを軽減する

多様なニーズに対応し商品のリニューアルも

クリナップはコンパクトキッチンに対するニーズの高まりや、インテリアトレンドの変化に対応して「colty(コルティ)」を昨年リニューアルした。通常のシステムキッチンより奥行きを5cm短く60cmにし、間口は120~210cmサイズに設定。開き扉収納の「ベーシックタイプ」や、デッドスペースをコンパクトな収納にした「足元収納タイプ」、簡単に対面キッチンにできる「コンパクト対面」など、暮らし方に応じて選べるよう豊富なプランを用意した。

リクルート住まいカンパニーの「クックパッドユーザーに聞いた『理想のキッチン』」では、若年層ほどキッチンを自分好みに変えたいと考えていることがわかった。キッチンの扉や壁を好きな柄にするなど、デザイン性を求める声も多い。「若年層のなかには普段あまり料理はしないが、コンパクトでデザイン性のあるものを設置したいという人も存在する。こだわりに応えることで販売を伸ばすことができる」(トーヨーキッチンスタイル)と、コンパクトキッチンの高品質化が加速しそうだ。

クリナップは昨年「colty」をリニューアル。暮らし方や設置場所に応じて選べるよう豊富なプランを用意している

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特集:

2030年住宅への設置率6割は可能か
初期費用、条件不利地域へのソリューション

国は2030年に住宅での太陽光発電の設置率6割を目標とする考えを示した。
現状の設置率は1~2割とみられ、非常に高い目標と言える。
100万円以上を必要とする「高額な初期費用」や、十分な発電効率を得るのが難しい「条件不利地域」といった課題があるなか、住宅事業者は設置率6割に向けてどのように取り組んでいけば良いのか──。
住宅太陽光発電マーケットの最前線を追う。

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