2018.10.11

ゼオン化成、リアルな木目を再現した樹脂サイディングを発売

耐久性やメンテナンス性もより高いレベルへ

ゼオン化成は、樹脂製住宅外装材、ゼオンサイディングのラインナップを拡充し、リアルな木目を再現した新シリーズ、GRAYNE(グレイン)を発売した。より高いレベルへ耐久性、メンテナンス性の向上も図った。樹脂サイディングならではの強みをアピールし新規顧客を開拓していきたい考えだ。

プラスチック加工技術をベースに様々な産業資材を製造販売するゼオン化成は、カナダのメーカーから塩化ビニール樹脂を材料とした住宅用サイディング材を輸入し、30年以上にわたり樹脂サイディングを扱ってきた実績を持つ。過去には別のメーカーなどが樹脂サイディングを輸入販売していたこともあったが、今では唯一、同社だけが扱っている。樹脂サイディングは、とくに北米市場で戸建て住宅の約6割で採用されるほど普及している。樹脂サイディングならではの多くの特性を備えているためだ。寒冷地の凍害や、海岸地域の塩害に強く、優れた耐久性を備えているほか、シーリング処理が不要であるためメンテナンス費用を削減できるというメリットも持つ。万が一、破損しても、パネル1枚単位で取替ができる点も他のサイディングにはないメリットだ。「定期的に水洗いをすれば、30年以上の長期にわたり初期の美しさを維持できる」(同社)。

木目デザインの外装材GRAYNEを採用した住宅外観。カラーは、落ち着いた黒が映えるエイジドグレイ
6種類のカラーを用意。写真は、着色していない杉板そのままの質感を再現したトスカーナゴールド

意匠性のバリエーションを拡充
和洋どちらの住宅外観にもマッチ

ただ、国内の戸建て住宅の外装材市場では、窯業系サイディングと金属系サイディングで9割以上のシェアを占め、樹脂サイディングのシェアは数%にとどまっている。その要因の一つが意匠性のバリエーションの少なさだった。標準仕様には、2種類のデザインパターン、カラーも数種類しかなかった。こうした状況を打破するために同社では新たにリアルな木目デザインを持つ新シリーズ、GRAYNEの販売を開始した。天然シダー材から型取りしたリアルな木目模様を再現。独自のハイブリッド構造による基材を採用することで色の深みも追求した。72種類の異なる木目と8種類のパネル形状を用意しデザインのバリエーションの幅を広げ、カラーも6種類そろえた。「北米スタイルの住宅外観はもちろん、杉板張りの純和風の住宅外観まで、幅広い住宅外観にマッチする」(同社)。

より高いレベルへと耐候性や耐衝撃性能の向上も図った。ハイブリッド構造による基材には、褪色を防ぐ酸化チタンや耐候性顔料を練り込んだ樹脂や、耐衝撃性に優れた特殊な基盤などで構成。時速120㎞でゴルフボールが当たっても割れないほどの耐衝撃性を備えている。

「住宅のさらなる高性能化、長寿命化が求められる中で、日本の住宅にも最適な特性を備えたサイディングとしてGRAYNEをアピールし、新規顧客層の開拓を強化していく」(同社)考えだ。