お知らせ ◆無料会員の新規登録に不具合が発生する場合がございます。ご登録いただいた後に確認のメールが届いていない場合、お手数をおかけし恐縮ですが再度ご登録の手続きをお願いしております。  ◆ハウジング・トリビューン最新刊Vol.629(2021年20号)好評発売中です   ◆有料会員サービス「Housing Tribune Online Premium」がスタートしました (2021.4)  ◆ハウジング・トリビューンが注目する注目の業務改善ツール 一覧はこちら (2020.10) ◆住宅産業総合誌「ハウジング・トリビューン」は隔週金曜発売。ご購入・年間定期購読はこちら建材・設備情報サイト「スマテリアル」は福井コンピュータアーキテクトの「3Dカタログ.com」と連携しています(2019.12)

アパレル企業の市場参入が活発化

住宅にアパレルブランドの世界観を反映し若年層のニーズを満たす

ライフスタイルが多様化し、消費者が住宅に求めるニーズも少しずつ変化している。「理想の暮らし」や「自分らしさ」を求める若年層の消費者に対して、機能や性能だけではない新たな価値の提供が住宅事業者には求められている。
そのなかで、最近アパレル企業とのコラボレーションなどによる住宅の供給が相次いでいる。感性に働きかける価値を提供しつづけているのがアパレル企業。このアパレルとのコラボによってスペックだけではない新たな価値を提供していきたい考えだ。
そこで、住宅事業者とアパレル企業とのコラボによって供給されている住宅の最新動向を探っていく。

かつてのモノ不足時代、モノを持つことが喜びであり、ステータスだった。しかしいまや、モノが溢れている時代、現在の若者は、モノを持つこと自体にそれほど喜びを感じない。これが若年層がモノをあまり買わなくなった一因といわれている。一方で、現代の若者は「体験や経験」「理想の自分の実現」などには価値を認め、お金を使う傾向がある。つまり、「モノ」ではなく「コト」を買っている。

この流れは住宅業界も同様で、これから家を持とうとする若年層は住宅の高い機能や性能だけでなく、「なんかいい」「かっこいい」といった自分の物差しに合う感覚で住宅を購入する。そんな「なんかいい」といった感覚を提供するのに長けている企業がアパレルだ。住宅事業者はアパレル企業とのコラボによって、機能や性能だけではない新たな価値の提供を狙っている。

カウカモとアングリッドが共同プロデュースしたリノベ物件

例えば、ツクルバが手がけるリノベーション住宅特化のオンラインマーケット「cowcamo(カウカモ)」は、昨年、マークスタイラーが展開するウィメンズブランド「Ungrid(アングリッド)」と共同プロデュースしたリノベーションマンションを販売した。

カウカモは「一点もの」の住まいと出会いを供給することをコンセプトに、リノベーション住宅を供給するオンラインマーケットだ。リノベーション住宅の流通を促進することで日本の住まい選びを「自由」で「自分らしく」することを目指している。一方のアングリッドは「A New Class Casual」をコンセプトにカジュアルをベースにTPOに合わせた心地よい服を提案している。

両社がコラボレーションの第一弾として発表した物件は、神楽坂にほど近いアールヴェール新宿弁天町にある築18年、広さ65.3平方メートルの中古マンションだ。中古マンションの買取再販事業を手掛けるフージャーズコーポレーションが仕入れと企画担当として参画。「WEAR I LIVE 〜その世界を身にまとう。その世界で息をする」をコンセプトに、お気に入りのファッションや雑貨、アートなどが飾れるギャラリーや、コーディネートが楽しめるフィッティングルームのようなウォークインクローゼットなどを設けている。

物件のターゲットはファッションとSNSが生活の一部となっている女性。SNSなどにその日のコーディネートをアップするといったことが定番化しつつあることから、玄関に入ってすぐのスペースに姿見を設置。おしゃれ好きな女性が出勤や外出前に自分のコーディネートを自撮りしてSNSへ投稿することを想定した。玄関横には大容量のウォークインクローゼットを用意。靴のまま入ることができるため、全身のコーディネートがしやすい。

さらに、室内にはお気に入りの服を飾れるスペースも用意した。ユーザーは購入したての服やお気に入りのバッグ、靴などを自由にレイアウトして楽しむことができる。廊下に面したこのスペースは大きな室内窓を設けることで、廊下からショーウィンドウのように眺めることが可能だ。

また、廊下の一面はシダーウッド板を採用してラフな質感を表現。アートや写真などを飾ることができるため、ギャラリーのような空間として使うことができる。

「ファッション好きな方は、空間への感度も高い傾向にあると考えシナジーが見込めると判断した。自撮り世代へのアプローチは、新しい取り組みになると思った」。物件は発表後大きな話題となり、すでに成約済みだ。

カウカモとアングリッドによるリノベ物件はファッションとSNSが生活の一部となっている女性をターゲットにしている
玄関には姿見の設置に加えて玄関横には大容量のウォークインクローゼットを用意
廊下からショーウィンドウのように眺めることが出来るスペース

リノベーションにアパレルの店舗設計で培った空間づくりのノウハウを

中古マンションリノベーション事業などを行うグローバルベイスもセレクトショップを運営するユナイテッドアローズ社とともに、昨年からマンションのフルオーダーリノベーションサービス「Re:Apartment UNITED ARROWS LTD.(リアパートメント ユナイテッドアローズ)」の提供を行っている。

ユナイテッドアローズは、異なるコンセプトのストアブランドを複数展開しており、これまで様々なストアブランドに合わせて店舗空間のデザインも行ってきた。グローバルベイスはファッション感度の高いユナイテッドアローズと組むことで、住空間にこだわりの強い消費者に対して訴求力を高めていきたい考えだ。

すでに各ストアブランドのコンセプトに合わせてデザインされた店舗空間が存在するため、消費者にとってもなかなか言葉で表現できない理想のイメージを事業者に伝えやすくなるという。同社は「協業によって付加価値の高い物件を提供できる。セレクトショップのような感覚でリノベプランを選んでもらえるようにしたい」と話す。

サービスはグローバルベイスがリノベーションワンストップ事業「マイリノ」を通して施主の希望の立地にあるリノベーションに適した物件の提案などを行い、ユナイテッドアローズが間取りや内装デザイン、設備や家具製作などのプロデュースを行う。空間づくりにはユナイテッドアローズの店舗の世界観が随所に盛り込まれている。

例えば、寝室のウォークインクローゼットはガラスとアイアンで構成した見せるウォークインクローゼットだ。お気に入りの洋服をかけたりストックボックスを活用することで、空間づくりのひとつとして楽しむことができる。見せる収納は、あらゆるところに設置されている。玄関の靴棚はお気に入りの靴に加えて、日常的に履く靴を自由に並べることで見せる収納として自分好みにデザイン可能。キッチンも同様にオープン・シェルフを備え付け、グラスなどを気分に合わせてディスプレイできる。そのほか、キッチンや洗面台の壁面タイルは天然石の六角モザイクタイルを採用している。

2月時点でホームページには2つのリノベーションプランを掲載している。第一弾として発表された吉祥寺のモデルルームは家具付で販売中だ。今後はアパレルだけでなく他の異業種とのコラボも検討しているという。

グローバルベイスとユナイテッドアローズ社が提供するリノベマンション。空間づくりにはユナイテッドアローズの店舗の世界観を盛り込んだ
ガラスとアイアンで構成した見せるウォークインクローゼット
キッチンや洗面台の壁面タイルは天然石の六角モザイクタイルを採用
キッチンにはオープン・シェルフを備え付けた

Housing Tribune最新刊

住宅産業総合誌「ハウジング・トリビューン」は隔週金曜日発売。年間購読者には電子版News Report「Housing Tribune Weekly」を配信しています。

ハウジング・トリビューンVol.631(2021年22号)

特集:

2030年住宅への設置率6割は可能か
初期費用、条件不利地域へのソリューション

国は2030年に住宅での太陽光発電の設置率6割を目標とする考えを示した。
現状の設置率は1~2割とみられ、非常に高い目標と言える。
100万円以上を必要とする「高額な初期費用」や、十分な発電効率を得るのが難しい「条件不利地域」といった課題があるなか、住宅事業者は設置率6割に向けてどのように取り組んでいけば良いのか──。
住宅太陽光発電マーケットの最前線を追う。

目次を見る

関連記事

2018.3.23

ハウジング・トリビューン Vol.554(2018年6号)

2018年度の住宅取得支援策 注目ポイントはここだ!! 得する住宅2018