成功の鍵は先手必勝

2010年にスタートした中国の「木構造設計規範」の改定作業が終わり、2017年11月に公告された。2018年8月に施行される予定だ。同規範は、日本の建築基準法に相当するもの。同規範の改定作業には、日本から(一社)日本木材輸出振興協会などが参加し、日本産材や木造軸組工法の提案を行ってきた。その取り組みの成果が実り、今回改定された木構造設計規範には、木造建築物の構造材として日本のスギ、ヒノキ、カラマツの3樹種が加えられたほか、軸組工法の規定も設けられた。今回の成果に結びつくまでには、実に7年という歳月が経過した。それだけに日本側の関係者にとっては、まさに悲願と言えるだろう。

だが、本当の試練はこれから。中国で軸組住宅を普及させていく上で、どのような課題をクリアしていく必要があるのだろうか。

日本では、プレカットや金物工法など、軸組工法の合理化を進める技術開発が進み、一朝一夕には真似できない技術力の蓄積がある。官民が協力し、こうした日本で独自に進化した軸組工法に関する技術力を含めて、中国へアピールし、輸出していく必要があるだろう。


この記事は会員限定記事です。
無料会員になると続きをお読みいただけます。

アカウントをお持ちの方

ご登録いただいた文字列と異なったパスワードが連続で入力された場合、一定時間ログインやご登録の操作ができなくなります。時間をおいて再度お試しください。