賃貸契約のネット完結が可能に
AIやIoT、電子契約の導入で実現 事業者が立ち会わない「セルフ内覧」も
AIやIoT、電子契約といったデジタルテクノロジーを導入することで、仲介会社に会わずにインターネット上だけで、物件検索から契約まで行えるサービスの提案が活発化してきている。店舗に行かなくても自宅などで賃貸契約を行えるだけに、進学を機にした上京や急な転勤などで、今後、賃貸契約のネット完結が普及してくる可能性がある。
IT重説の解禁で賃貸のネット完結の提案が加速
今年10月から賃貸に限り不動産契約の「IT重説」が可能になった。これまで、不動産契約時の重要事項説明については宅建業法上、店舗などで対面して行うことが義務付けられていたが、国の規制緩和により賃貸契約に限り店舗などに行かなくてもPCやスマートフォンでのテレビ電話などを通じてどこからでも行えるようになった。
これを受け、不動産の賃貸契約を仲介会社に会わずにインターネット上で完結できるサービスの提案が活発化してきている。例えば、不動産テック企業のイタンジ(東京都港区・伊藤 嘉盛 代表取締役CEO)は、今年10月に、賃貸不動産取引の業務をAIで自動化できる不動産事業者向けシステム「Cloud ChintAI(クラウドチンタイ)」の提供を開始した。
LINEを通じてAIが自動で物件提案や問い合わせへの返答を行えるシステム「nomad cloud(ノマドクラウド)」と併せて導入することで、不動産会社は物件検索から内覧受付、申込受付、審査受付までの業務を一気通貫で自動化できる。一方で、消費者は店舗に行かずにインターネット上で物件検索から内覧の予約、申込、審査依頼までを行える。
ただし、これまで内覧については、インターネット上で予約できるものの、現地で不動産事業者と会い、不動産事業者が鍵を開けなければいけなかった。このため、今年12月から、イタンジは「nomad cloud」とSQUEEZE (東京都港区・舘林真一 代表取締役CEO)のIoTスマートキーボックス「igloohome(「イグルーホーム」)」との連携を開始。これにより、消費者は不動産事業者から時限式のワンタイムパスワードをスマホで受け取り、キーボックスを開けて不動産事業者に会わずに内覧する「セルフ内覧」も可能になった。
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