住宅ローンにフィンテックの波 ネットで最適ローン提案から契約まで完結
住宅・不動産事業者の導入が加速
住宅ローンにフィンテックの波が押し寄せてきている。個人に合わせた最適なローンの提案から契約までをインターネット上で完結できるサービスを提供。ITの活用に取り組む住宅・不動産事業者で導入が加速している。
金融分野にITを導入し効率化やサービスの向上を図る「フィンテック」が隆盛してきているが、ここにきて住宅ローンの分野でもフィンテックのサービスが広がってきており、フィンテック企業の提案が活発化している。中でも注目を集めているのがMFS(東京都新宿区・中山田明 代表取締役 CEO)が提供を行っている「モゲチェック」というサービス。住宅・不動産購入予定者がオンライン上で年収などの属性データを記入することで、その情報をもとにITを活用し住宅・不動産購入予定者に合わせて審査に通る可能性が高く借入条件がよい最適な住宅ローンを選定し紹介、金融機関への取り次ぎを行う。2016年のサービス開始から2017年12月までの21カ月間で取次いだ住宅ローンの取扱い額は100億円を超えた。同様のサービスをフィンテック企業のWhatzMoney(東京都目黒区・前田一人 代表取締役)も行っており、取次ぎ実績を増やしている。
これまでも、実店舗を通じて様々な住宅ローンの中から最適な商品を提案するサービスはあったが、MFSやWhatzMoneyのサービスについてはネット上でサービスの提供を行っているという点が新しい。また、ネットでの住宅ローン比較サイトはすでにいくつか存在するが、金利や総支払額の比較にとどまっている。だが、MFSやWhatzMoneyのサービスでは、それに加えて、「審査に通る可能性まで含めて」最適な住宅ローンを提案できる点が異なる。提携する一部の金融機関からの提供データと、これまで取次いだ実績から逆算する「リバースエンジニアリング」というデータ分析の手法を用い、審査に通りやすい住宅ローンを導き出す。
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