HOMMA 日本の住宅関連企業とのコラボでアメリカでイノベーションを起こす
HOMMA,Inc. Founder & CEO 本間毅 氏
アメリカの住宅にイノベーションを起こすためにシリコンバレーで創業したHOMMA。
日本の住宅関連企業とのコラボレーションによって、アメリカの住宅を変えようとしているHOMMAのCEOである本間毅氏にその狙いなどを聞いた。
テスラのようなイノベーションを住宅分野で起こす
──HOMMAをシリコンバレーで創業した経緯をお教え下さい。
HOMMAは、私がスタートアップした会社としては2社目です。1社目は学生時代にネットベンチャーを起業して、8年間経営しました。上場寸前まで行ったのですが、ITバブルが弾けた影響で他の会社に譲渡しました。
その後、2003年にソニーに入社し、5年ほど新規事業やネット関連の事業に従事した後、2008年にカリフォルニアに赴任しました。そこでは電子書籍の戦略担当という立場で仕事を行っていました。
その後、2012年から電子書籍関連の事業を手掛けるために楽天の執行役員に就任することになったのです。そこからシリコンバレーに軸足を映しながら投資・買収・提携などのビジネスデベロップメント関連の事業を行い、2012年にHOMMAを起業しました。
アメリカで生活をするなかで、アメリカの住宅を取り巻く状況が非常に保守的であることを痛感しました。
電話がスマホになり、自動車も今では電気自動車や自動運転といった劇的なイノベーションが起きている。ところが、家はどうでしょう。アメリカの住宅は100年前からほとんど変わっていません。しかもアメリカでは工業化が遅れており、今でも在来工法が主流です。変わっているのはガレージがついたことくらいでしょうか。
「アメリカの住宅にテスラのようなイノベーションを起こす企業があっても良いのではないか」と考えるようになったというのが、HOMMAを起業したきっかけのひとつです。
UberやAirbnbなどのスタートアップの創業者に話を聞くと、特別に変わった人というのではなく、当たり前の価値観を持っており、いち消費者として「こういうサービスがあったらいいな」という想いで起業しています。そして、シリコンバレーには、そうしたスタートアップを育てていく土壌や環境もある。
私は新しい事業を新しいアプローチで創るということが得意でした。もともとはインターネットを中心とした事業を手掛けてきましたが、最近ではインターネットとリアルビジネスを掛けあわせることで、フィンテックなどが出来てきている。そういう流れが住宅にあるべきだとも感じていました。
さらに言うと、私の母方の祖父は島根県にルーツがあり、石州瓦の窯元でした。祖父自身は建築資材の販売業も営んでおり、子どもの頃は絨毯のサンプルを見たり、フォークリフトに乗せてもらったりしていました。父方の祖父は一級建築士でした。彼のつくった設計事務所はまだ京都にあります。もともとは宮大工の家系だったそうです。
こうした自らのルーツも、アメリカで住宅会社を起業したことに影響を及ぼしているのかもしれません。
先進的なライフスタイルを家から創りだす
──アメリカの住宅業界では、なぜイノベーションが起きないのでしょうか。
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