ハチドリ電力 小野悠希さん 誰かの「ひとしずく」が世界を変える

ハチドリ電力代表 小野 悠希さん

私は、私にできることをしているだけ

気候変動問題の解消という視点で何らかの事業を行おうとすると、ある種の矛盾をはらむことがある。

例えば、環境性能に優れた住宅を提供することで気候変動問題の解消に貢献しようとすると、「家を建てないのが一番環境に優しいのではないか」という“そもそも論”に陥ることがある。電力事業でも同じことが言えるだろう。

「ボーダレス・ジャパンでも、そういう議論になることはあります。ソーシャルビジネスとは言っても、それぞれの事業を継続するには一定の売上を得ることが求められます。どんなに社会に役立つことであっても、利益を確保できなければ事業を継続できませんから。しかし、消費行動を促すことが果たして正義なのか…結論はでませんが、現状の社会問題に対して何らかの行動を起こさなければ社会は変わらないということは間違いありません」。小野さんはこう語ってくれた。

SDGsとは、持続可能な開発目標である。誰も取り残すことなく、持続可能な社会を形成するための目標。

言い換えれば、この世界を取り巻くあらゆる問題にフタをすることなく、その解決を図りながら文明的な発展も目指そうということだろう。そう捉えると、非常に欲張りで、非常に難しいミッションを我々に求めている。

「何もせずにジッとしている方が環境にやさしい」という“そもそも論”では、17のゴールには到達できないのだ。

目をそむけたくなるような現実にフタをすることなく、行動する前にあきらめることなく、まずは体を動かしてみる。まさに小野さんのように、「気付いたからには無視できない」という人を増やしていくことが、SDGsを実現する一歩になるのだろう。そして、その一歩が決して難しいものではないことを、小野さんは示してくれている。

ハチドリ電力の名前の由来は、「ハチドリのひとしずく」という南米アンデス地方に伝わるお話。

燃える森から逃げ出す動物たち。クリキンディという名前のハチドリだけは、口ばしで水のしずくを一滴ずつ運び、燃え盛る炎の上に落とす。「そんなことをしても意味がない」という動物たちに、クリキンディは言う。

「私は、私にできることをしているだけ」と。

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Profile
小野 悠希(おの・ゆうき)

1995年兵庫県生まれ。大学2年生の夏休みに東南アジアを訪れたことがきっかけで、ソーシャルビジネスという世界を知る。その後複数の社会的企業でインターンを経験し、2018年に株式会社ボーダレス・ジャパンに入社。BORDERLESS LINK、iloitooの2社での修行期間を経て、地球温暖化のために絶滅する動植物をなくしたいという思いからハチドリ電力の事業を立ち上げ。

4/6 18:00〜
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