ハチドリ電力 小野悠希さん 誰かの「ひとしずく」が世界を変える
ハチドリ電力代表 小野 悠希さん
地球環境問題で気付きが
ゼロから電力事業スタートへ
帰国した小野さんは、しばらく別の事業を手伝うことに。その期間、自分がやるべき仕事について考えた。小野さんは、起業家コースでボーダレス・ジャパンに入社している。将来的には他のメンバーのように、自ら事業を立ち上げることを目指していた。
自分の人生をかけてできる仕事は何だろう。そう考えている時、グレタ・トゥーンベリさんの存在を知る。スウェーデンの環境活動家の言葉と行動をきっかけに環境問題に関心を持つようになる。
色々と調べるなかで、人間が豊かさを享受するために、100万種もの動植物が絶滅の危機に瀕しているという記事が目に飛び込む。そこで、初めて地球温暖化問題がジブンゴト化したという。
実は小野さん、「人間よりも動物の方が好きです」と断言するほどの動物好き。幼少の頃は獣医か動物園の飼育員になるのが夢だったそうだ。その動物が人間のエゴの犠牲になっていることが、どうしても許せなかったのだ。
人間が原因で温暖化が進行しているのなら、それを止めるのも人間にしかできないはず―。それなら自分でやろう。
「人間のせいで絶滅するかもしれない動植物が存在している。そのことに気付いてしまったからには、避けて通れないと思ってしまいました。しかも、今回の気付きについては、自分も状況の悪化に加担している。もうやるしかないという感じでした」。
では、地球環境問題という大きな課題に対して、何ができるのか。再び田口さんに相談すると、「今なら電力事業が面白いのでは」と思いもよらない提案が。
電力事業と言えば、重厚長大な産業のイメージ。何の経験も知識もない自分ができるのだろうか―。
そこから色々な人に会い話を聞き、資料なども読み漁る日々が続く。
2016年4月、電力の小売りが自由化された。それ以降、電力事業をめぐる状況は大きく変わっていた。
新電力事業者が次々と市場に参入し、自ら電力施設を保有することなく電力サービスを提供することが可能になっていったのだ。
しかし、その一方で多くの新規参入者によってレッドオーシャン化していると思いきや、新電力に切り替えた消費者はまだ2割程度であった。この状況であれば私にもできる。小野さんは、自由化以降の状況を知れば知るほど、その想いを強めたという。
4/6 18:00〜
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