太陽光パネルのリサイクル、義務化に向け議論加速
製造・輸入業者が費用負担へ
義務化が検討されている太陽光パネルのリサイクルについて、製造業者や輸入業者がその費用を負担する中間とりまとめ案が、経済産業省と環境省の合同会議で示された。
国は、第6次エネルギー基本計画において、再生可能エネルギーの電源構成比を30年までに36~38%とする目標を掲げている。このうち、太陽光発電は14~16%を担うものとしており、導入拡大が急がれている。
しかし、太陽光発電の普及において課題のひとつとされているのが、寿命を迎えた使用済みパネルの処分対応だ。一般的に、太陽光パネルの寿命は約20~30年とされている。2030年代後半以降、寿命を迎えたパネルの排出量が急速に増えることが見込まれており、ピーク時には年間50万tにのぼる予測もある。
そこで重要となるのが、使用済みパネルのリサイクル。24年8月に閣議決定された第5次循環型社会形成推進基本計画では、循環型経済への移行を国家戦略として進めていくことを踏まえ、使用済みパネルの再資源化進める必要があることが示された。
こうしたなか、24年12月16日に経産省と環境省の両省が8回目となる「太陽光発電設備リサイクルワーキンググループ」を開催、太陽光パネルのリサイクル義務化に向けた制度の中間とりまとめ案を示した。
適正な廃棄・リサイクルを確実に行うためには、解体、廃棄・リサイクルなどを行う事業者に適正な費用が支払われる仕組みを構築することが不可欠。
とりまとめ案では、基本的にリサイクルの費用をパネルの製造業者が負担する考えが示された。
ただ、輸入品については海外事業者にリサイクルの費用を求めることは難しいことから、製品の輸入業者に費用負担を求めることが適当であるとした。
また、太陽光パネルのリサイクルにあたっては、パネルの解体・撤去・収集運搬などの解体等費用が必要だが、これについては設備の管理を担う所有者に費用の負担を求める方針だ。
なお、太陽光発電の導入拡大に向けての期待値が高い次世代型太陽電池については、商用化に向けた研究開発・実証段階にあることから、「今後の普及・開発状況などに応じてリサイクル義務化の対象にするかを検討すべき」(太陽光発電設備リサイクルワーキンググループ)という考えを示した。
今後、パブリックコメントを募集して正式に案をとりまとめ、25年の国会に関連法案を提出する方針だ。
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