X-WALL(エクスウォール)
株式会社アイ・エム・エー
「耐震」プラス「制震」、そして「復元力」で繰り返しの地震にも性能を持続
アイ・エム・エーの「X-WALL(エクスウォール)」は、耐震性能と制震性能を併せ持つ耐力壁だ。
同社によると、建物の耐震性能を向上するためには―
①ある程度の揺れに「固さ」で持ちこたえる耐震性
②地震の振動エネルギーを吸収する制震性
③地震の揺れを粘り強さで耐え、構造躯体の変形を防ぐ復元性
―という3つの能力を向上し、なおかつ長期にわたって安定的にその性能を維持することが重要になるという。
想定外の規模の地震が発生した場合、まずは建物の「固さ」によって建物の変形を抑制することが求められる。これが耐震性だ。しかし、「固さ」だけで地震の揺れを持ちこたえようとすると、ある一定以上の力が加わると構造躯体が損傷する懸念がある。そこで、「固さ」に加えて、振動と揺れを効果的に吸収する制震性、さらには粘り強さを発揮する復元性を同時に備えておく必要があるというわけだ。
「X-WALL」は、木製の耐力壁を鋼製アームと、常よりも約3倍も太い間柱(復元力間柱)によって強化したもので、国土交通大臣認定・壁倍率2.8倍という耐震性を備えている。この耐震性によって、建物に強さと固さをもたらし、地震時の変形を抑制する。
また、耐力壁の中央に設けた復元力間柱と鋼製アームによって、建物に復元力をもたらす。復元力を建物に付与することで、大地震時の残留変形を軽減し、建物全体の耐力低下を回避できる。
さらに、復元力間柱は制震性能も発揮し、地震の揺れにブレーキをかける役割も担っている。
さらに、復元力間柱は制震性能も発揮し、地震の揺れにブレーキをかける役割も担っている。
つまり、耐震性、制震性、そして復元力という3つの性能を備えた“オールインワン耐力壁”というわけだ。耐力壁としての大臣認定も取得しているため、耐震改修工事などにも活用することが可能。
タスキ筋交いと比較して変形を67%抑制
アイ・エム・エーでは、「X-WALL」の性能を検証するために、大臣認定を取得するための試験だけでなく、実大実験も行っている。阪神淡路大震災の揺れを用いた実代実験の結果では、壁倍率2.5倍の構造用合板の変形量が250mm、壁倍率4.0倍のタスキ筋交いの変形量が176.8mmであるのに対して、「X-WALL」の変形量は58.2mmに留まっていることが分かった。「X-WALL」が取得した大臣認定の壁倍率は2.8倍だが、実際には壁倍率4.0倍のタスキ筋交いよりも変形量を67%抑制していることになる。
「X-WALL」の復元力も実証しており、阪神淡路大震災を再現した地震波を2回加えても、耐震性能が著しく低下することがないことが分かっている。
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