住宅へのスマートスピーカーの導入が加速
AIを搭載した「 スマートスピーカー 」の住宅への導入が加速している。分譲マンションや賃貸住宅に関しては、新たな付加価値として標準搭載に踏み込む動きも出てきた。
スマートスピーカーについては、ここにきて発売ラッシュとなっている。グーグルの「Google Home(グーグルホーム)」、アマゾンの「Amazon Echo(アマゾンエコー)」、LINEの「Clova WAVE(クローバ ウェーブ)」が発売、ソニーも12月から「LF-S50G」の販売を行う。相次ぐスマートスピーカー発売にともない、住宅事業者などによる住宅への導入が加速している。
例えば、横浜市住宅供給公社とソフトバンクグループは、新築分譲マンション「横浜MIDベースタワーレジデンス」(神奈川県横浜市西区・総戸数199戸)において、日本では初めて新築分譲マンションの全住戸に「Amazon echo」を標準搭載する。話しかけるだけでニュースやスケジュール、家庭内の電力料金の読み上げ、音楽の再生などを行える。加えて、スマート家電コントローラ「RS-WFIREX3」とWi-Fi連携させることで、赤外線リモコンに対応したテレビやエアコンなどの家電を声で操作することが可能だ。
東急やレオパレス、大和リビングなど不動産事業者を中心に導入相次ぐ
東急不動産グループもスマートスピーカーの導入を積極的に進めている。東急不動産は今年3月から引渡しを開始している分譲マンション「ブランズシティ世田谷中町」(東京都世田谷区・252戸)に、イッツ・コミュニケーションズのスマートホームサービス「インテリジェントホーム」と併せて「Google Home」の導入を行っている。また、東急リバブルは、東京都・神奈川県の一部エリアで同社の仲介で既存住宅を購入した人に「Google Home」を無償提供している。
賃貸住宅関連では、レオパレス21がグラモが開発中のスマートスピーカーを来年1月から賃貸の新築全戸に標準装備する。年間約1万戸への導入を予定している。ニュースなどの読み上げや音楽の再生に加え、スマートロックなどのIoT機器との連携や様々な音声案内サービス、センサーと連携した住環境の自動制御などが可能だ。
大和リビングも賃貸住宅の付加価値としてスマートスピーカーを提案していこうとしている。今年12月から管理を行う賃貸住宅に「Google Home Mini」とWi-Fiインターネット環境をセットにして提供していく予定。初年度10万戸、将来的には同社の管理する全物件への設置を目指す考えだ。
一方、同じ大和ハウスグループの大和ハウス工業も戸建て住宅での導入に取り組んでいく。「Google Home」と、イッツ・コミュニケーションズの「インテリジェントホーム」を活用した住宅IoTサービスの実証実験を東京・大阪の2ヶ所の展示場で開始。この結果に基づき、2018年1月6日からは東京・名古屋・大阪などで戸建住宅の購入検討者に対し、「Google Home」を活用した住宅IoTサービスを「Daiwa Connect」という名称で提案していく。 2018年上期には、主力の戸建住宅「xevoΣ(ジーヴォシグマ)」に「Daiwa Connect」を搭載した新商品を発売する予定。将来的には、戸建て住宅の50%以上に「Daiwa Connect」を搭載していきたい考えだ。日本でもいよいよ導入が本格化してきたスマートスピーカ──。分譲マンションや賃貸住宅に標準搭載する事業者も出てきただけに、今後、加速度的に普及していく可能性がある。
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