広がる内窓提案 潜在需要の掘り起こしがカギに
Housing Tribune Weekly vol.737
「先進的窓リノベ事業」の最終年度となる今年、窓改修の中でも手軽で、市場拡大の期待がある「内窓」の提案が加速している。
住宅の省エネ化を推進する流れの中で、2023年にスタートした先進的窓リノベ事業は大きな注目を集めた。断熱性能の高い窓への改修に対し、過去最大規模の補助が実施され、既築住宅の性能向上を後押ししてきた。一方で、2025年度版となる今年の同事業の予算消化率は、7月18日時点で17%にとどまり、前年を下回るペースとなっている。予算が増えたこともあるが、元来関心のあった層の窓改修は昨年度までで一巡したとも言われており、今後は新たな層へのアプローチが不可欠とされる。こうしたなかで、潜在ニーズを掘り起こす取り組みが進む。
YKK APは、内窓商品を23年ぶりにフルモデルチェンジ。取り付け寸法を従来品より23㎜小さくした「ウチリモ 内窓」引違い窓を7月7日に発売した。最大の特徴は、既設窓の額縁の取付寸法が最小47㎜あれば、ふかし枠(額縁の延長部材)を使わずに「枠持ち出し納まり」で設置できる点。多くの内窓は、見込み寸法が70㎜未満の場合にふかし枠が必要となる。しかし、ふかし枠を設置すると、そのぶんコストがかかり、施工手間が増えるほか、ふかし枠の幅が大きくなると額縁の下に補強材が必要となり、見た目も悪くなる。こうした理由から、ふかし枠が必要な現場では依頼を断る施工業者も多い。同社によると、既設窓枠が70㎜以上ある住宅は戸建で約半数、RC造マンションでは35%にとどまるが、「ウチリモ 内窓」では、それぞれ約75%、55%の現場でふかし枠なしでの対応が可能になるという。特に、「マンション戸別改修・賃貸市場の掘り起こしを最重要テーマにおく」(住宅・エクステリア統括本部 志賀一徳リノベーション事業部長)といい、窓の高性能化が追い付いていない集合住宅市場に対して、積極的に発信していきたい考え。
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