2023.7.18

物流の2024年問題へ急ピッチで対応進む

Housing Tribune Weekly vol.640

物流業界におけるドライバーの長時間労働の深刻化を背景に、2024年4月から自動車運転業務の時間外労働の上限が年間960時間に制限される。これにより、ドライバー不足や運賃の値上げ、輸送能力の縮小など深刻な問題の発生が懸念されている。この「物流の2024年問題」への取り組みが住宅産業界において急ピッチで進んでいる。

デンソーなどの異業種7社は幹線中継輸送サービス「SLOC」の実証実験を7月10日~14日に実施している。デンソー、アスクル、エレコム、タカラスタンダード、三井倉庫ロジスティクス、安田運輸、大和ハウス工業の7社が参加し、ドライバー一人当たりの拘束時間の短縮などについて検証する。幹線中継輸送とは、一つの行程に中継地点を設け、複数のドライバーで交代しながら輸送する仕組みのこと。SLOCは、荷台(コンテナ)部分の脱着が可能なスワップボディコンテナ車両を採用し、QRコードを使ったコンテナ管理システムを導入することで、複数の荷主と運送業者で荷物を運ぶ新しい輸送形態となる。スワップボディコンテナ車両を用い、中継地点でコンテナを分離し指定されたコンテナに載せ替えて輸送するため、トラックの乗り換えや荷物の積み降ろしがなく、柔軟な運行スケジュールを立案できる。また、コンテナを分離できるという特徴を生かし、荷主が荷物の積み降ろしを行う「荷役分離」や、異なる荷主の荷物を積載する「混載輸送」が容易になる。ドライバーの荷役負担が軽減されれば、女性や高齢者などより多くのドライバーの活躍が期待できるようになる。


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