残価設定ローン、リースバック、住宅循環を促す金融商品が充実
Housing Tribune Weekly vol.628
住宅ストックの循環利用を促す、様々な金融商品が充実してきている。
2021年に行われた国の住生活基本計画の見直しにおいて、目標の一つに「脱炭素社会に向けた住宅循環システムの構築と良質な住宅ストックの形成」が掲げられ、その実現に向けた施策の一つとして「健全なリースバックの普及、リバースモーゲージや残価設定ローン等の多様な金融手法の活用を進め、住宅の資産価値の合理化・明確化を推進」することが示された。こうした国の方針、さらに社会環境の変化やニーズの多様化などを背景に、新たな金融商品の開発が相次いでいる。
(一社)移住・住みかえ支援機構(JTI)は、住宅の資産価値の下落を避ける仕組みとして「ローンのお守り」を日本住宅ローン(MCJ)と共同で開発。MCJが取り扱う(独)住宅金融支援機構の住宅ローン(フラット35など)に、JTIが定める残価設定月以降いつでも、毎月の返済額を大幅に抑えた「新型リバースモーゲージ」に借り換え変更できる「返済額軽減オプション」、住宅ローンの負債残額と同額で住宅をJTIが買い取る「残価買取オプション」という2つのオプションを付帯させた。住宅購入者は、2つのオプションの権利を行使することで、定年退職などにより収入が減る時期の負担が軽減でき、将来の様々な転機に備えられる。長期優良住宅であることなどが利用の条件となる。大和ハウス工業は2022年10月から、全国の新築戸建住宅の購入を検討する顧客に向けてこのローンの紹介を始めている。
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