地価公示、2年連続で全用途平均上昇、コロナ前への回復傾向顕著
Housing Tribune Weekly vol.625
国土交通省は、全国2万6000地点を対象に、令和5年1月1日時点の価格を調査し、1年間の地価動向として「令和5年度地価公示」を発表した。新型コロナの影響で弱含んでいた地価は、ウィズコロナの下で、景気が緩やかに持ち直している中、地域や用途などにより差があるが、都市部を中心に上昇が継続するとともに、地方部においても上昇範囲が広がるなど、コロナ前への回復傾向が顕著となった。全用途平均・住宅地・商業地のいずれも2年連続で上昇し、上昇率が拡大した。
圏域別に住宅地の平均変動率を見ると、三大都市圏は、東京圏の2.1%、大阪圏の0.7%、名古屋圏の2.3%と、それぞれ2年連続で上昇した。都市中心部や生活利便性に優れた地域では、低金利環境の継続、住宅取得支援施策等による需要の下支え効果もあり、住宅需要は堅調であり、地価上昇が継続している。生活スタイルの変化による需要者のニーズの多様化により、郊外部にも上昇範囲が拡大している。
地方圏の住宅地は、2年連続で上昇し、上昇率が拡大した。特に、地方四市(札幌市・仙台市・広島市・福岡市)の住宅地の平均変動率は8.6%と10年連続の上昇、上昇率が拡大している。また、四市の中心部の地価上昇に伴い需要が波及した周辺の市町でも、高い上昇率を見せている。さらに、地方四市を除くその他の地域の平均変動率は0.4%と28年ぶりに上昇に転じた。最も上昇率の高い都道府県は北海道(7.6%)、県庁所在地は札幌市(15.0%)であった。
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