New   2026.10.16

基準地価、全用途平均で5年連続上昇 住宅地は東京・大阪圏で上昇幅拡大も

都心部マンション市況は一服感

国土交通省が発表した令和8年都道府県地価調査(7月1日時点)では、基準地価が全用途平均で5年連続上昇した。

エリア別では三大都市圏において全用途平均が4.4%上昇(同プラス0.1ポイント)と上昇幅の拡大が続いたものの、その拡大幅は前年よりも縮小した。都市圏別に詳しくみると、三大都市圏と地方圏ともに上昇が継続。ただ、三大都市圏では名古屋圏、地方圏では地方四市(札幌市、仙台市、広島市、福岡市)で上昇幅が縮小した。

用途別の住宅地では、東京圏はプラス4.0%で前年から0.1ポイントアップし、6年連続でプラスが続く。大阪圏もプラス2.3%で同じく0.1ポイントアップし、5年連続のプラスで推移する。一方、名古屋圏についてはプラス1.5%と6年連続のプラスだが、今回は上昇幅が縮小した。リゾート地域でも、移住者や従業員向けの住宅需要を背景に高い上昇率が継続している。また、子育てしやすい環境の整備によって転入者が多い地域でも堅調な住宅需要を背景に上昇している。

東京・大阪圏における住宅地価上昇の背景には不動産市場での根強い実需があり、地価上昇が継続している。ただ、東京都心部のマンション市況について、大和ハウス工業のハウジング・ソリューション本部事業統括部 角田卓也副統括部長は「価格上昇や投資需要の変化を背景に、物件によって鈍化傾向が見受けられる」と話す。高市政権発足後、中国人購入者も減少しているという。(一社)不動産流通経営協会 遠藤 靖理事長も「首都圏マンションの成約件数は5ケ月連続で減少しており、特に東京都区部の成約件数は8ケ月連続で減少している」と足元の状況を注視する必要性を示した。

令和8年都道府県地価調査 全国の地価動向

地方圏の住宅地では地方四市がプラス2.9%と14年連続のプラスを記録したものの、前年から上昇幅が1.2ポイント縮小。その他地域については横ばいとなった。東京・大阪といった都市部で堅調な住宅需要が住宅地価を押し上げる一方、地方の住宅地価はこの数年伸び悩んでおり、二極化が進んでいる。

商業地は2.9%上昇(同プラス0.1ポイント)と5年連続で上昇し、上昇率も拡大した。主要都市における店舗・ホテル等の需要が堅調なことや、オフィスについても空室率低下や賃料の上昇傾向がみられるために地価上昇が継続している。

オフィス市場は「人材確保を目的とした好立地・ハイグレードオフィスへの移転ニーズの高まりや充実した共用スペース整備等の職場環境改善に対する意識の向上」(東京建物 代表取締役 小澤克人社長執行役員)、「企業による拡張移転需要や出社回帰の動き」(野村不動産 松尾大作代表取締役社長)などを背景に活況となっている。

2026年のインバウンド需要は、一部地域では中国の渡航自粛が影響する可能性はあるものの、欧米や東南アジア諸国など多様な地域からの訪日需要は堅調であり、観光需要のあるエリアの土地価格高騰は続くと見込まれる。