(一社)プレハブ建築協会 初めて中古住宅の市場評価・流通に本格取り組み
新5ケ年計画「住生活向上推進プラン2030」策定
(一社)プレハブ建築協会が、国の新たな「住生活基本計画」や「2050年カーボンニュートラル」への対応を踏まえた新たな5カ年計画「住生活向上推進プラン2030」を公表した。
「住生活向上推進プラン」とはプレハブ建築協会の住宅部会が定める長期計画で、2006年の住生活基本法、住生活基本計画の策定を受け、15年度を最終年度として最初に定められ、以来住産業を取り巻く環境を考慮しながら改定してきた。
今回新たに策定した「住生活向上推進プラン2030」は、質の高い住宅供給にとどまらず、まちづくり、既存ストックの流通、脱炭素、DX、国際貢献まで視野に入れた内容とし、協会内の組織横断で取り組む意識も強化した。プラン推進委員会の本間克巳委員長は「(前計画からの)5年間で住宅産業を取り巻く環境は大きく変化し、求められる役割も高度化複雑化している。国の住生活基本計画にも示されているように住まいを単なる建物としてではなく、地域や環境、コミュニティとの関係の中で捉える考え方が強く求められている」とし、住宅供給のみならず「住生活そのものを向上させることへ軸足を移した計画とした」と概要を説明した。
新プランでは大きく7項目を設定した。①の「安全・安心のさらなる確保と、先導的技術・性能向上への取り組み」では、従来の「迅速な被災地支援体制の構築」から一歩踏み込み、被災者の生活再建や地域の復旧・復興まで支援領域を拡大する。企画建築部会と住宅部会の連携による仮設住宅供給体制の強化に加え、新施策として「自宅避難を可能とする新築住宅(レジリエンス住宅)」の普及を掲げた。太陽光発電や蓄電池などの標準活用により、災害発生時の停電・断水下でも在宅生活を継続できる住宅を目指す。

②の「良質な住宅ストック社会の構築」では、協会として初めて中古住宅の流通・市場評価に本格的に取り組む方針を明記した。本間委員長は新項目として加えた理由について「国の方針としてストック重視が示される中できちんとコミットする必要がある」と説明。プレハブ住宅の強みである高い耐久性や履歴情報を活かし、既存ストックが正しく評価・流通する仕組みを会員各社の不動産関連グループ会社との連携を第一歩としつつ、既存の「スムストック」や外部団体と協力して整備していく。
③の「社会や時代の要請に対応した、新たな取り組みや新技術の開拓」では、多様化する働き方やライフスタイルに対応するため、二地域居住・多地域居住といった新しい住まい方や、地域コミュニティ活性化に向けた情報発信に努める。
④の「住宅・まちづくりにおけるバリューチェーンを通じた地球環境の保全」では、新たに環境文科会において27年度までにサーキュラーエコノミー方針を策定すると示した。
⑤の「国際的な住宅・住環境向上への貢献」では、国際貢献ワーキンググループを中心に、海外で発生する大規模自然災害や紛争終結後の復興を見据え、日本で培ったプレハブ建築のノウハウを活かした復興提案・支援ができるよう準備を進める。
⑥の「人材の確保・育成と情報発信の充実」では、「プレハブ住宅コーディネーター」などの資格・人材育成プログラムを継続・強化するとともに、オーナー側が住宅を長く適切に維持・活用できるよう住生活リテラシー向上に向けた情報発信を強化する。
⑦は「DXの取り組み」で、前プランでは一施策だったDXの項目を独立した柱へと格上げした。デジタル技術の活用推進により、生産性向上、働き方改革、災害時の迅速な対応を目指す。
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