なぜ住友林業の注文住宅が売れているのか⁉
リアル・デジタルの融合と効率化による棟数維持戦略
住友林業の国内住宅事業が好調だ。2025年12月期の国内住宅の売上高、受注・販売棟数はいずれも前年比増となり、26年に入ってもその勢いは衰えない。国内の新設住宅着工戸数が右肩下がりを続ける中、なぜ良い業績を維持しているのか。本部担当者にその背景を聞いた。
住友林業の注文住宅が売れている。2025年12月期の賃貸・分譲を含めた国内住宅事業の売上高は前年比7・9%増の5854億円と堅調に着地。販売棟数は同2・9%増の7772棟、受注棟数は同3・1%増の8357棟といずれも増加した。この勢いは26年に入っても衰えず、2026年4月期の受注速報では前年同月比22%増を記録し、11カ月連続プラスという実績を達成している。
人口減少、資材費高騰、金利上昇など様々な要因により、国内の新設住宅着工戸数の減少は止まらない。大手ハウスメーカー各社が棟数減を受注単価増でカバーしている中、棟数を伸ばしている住友林業の実績は際立っており、着工シェアも19年の2.7%から25年は3.8%へと伸びている。その要因について、住宅事業本部営業推進部の前原マネージャーは「様々な施策の積み重ねが結果につながっている」と話す。
YouTube



SNSで集め、展示場でつかむ
1つがSNS戦略だ。同社は2020年に専門のSNSチームを立ち上げた。他社に比べると後発だったが、26年6月現在ではInstagramのフォロワー数が約21・2万人と大手ハウスメーカーの中で1位、YouTubeのチャンネル登録者数も約6・7万人と上位に位置している(ハウジング・トリビューン調べ)。広告やインセンティブによって登録者数を伸ばす例もある中、同社は実例コンテンツの充実を図り、「オーガニック(自然流入)」でのファン獲得、アクティブユーザーの獲得にこだわってきた。
「YouTubeでは、オーナー様に協力いただき実例のルームツアー動画を数多く配信している。Instagramでは、毎月1回ほどの頻度で「インスタライブ」を開催し、オーナー様の声をリアルタイムで発信している。1回あたりの延べ視聴者数は約5000人」(住宅事業本部 営業推進部 岡本マネージャー)。さらに、SNS上では同社で建てたオーナー自身が自発的に我が家の魅力を発信するインフルエンサーも自然発生している。
こうしたデジタル戦略は、展示場における営業のあり方を変えている。かつては展示場に行き、そこからメーカーを絞り込むのが顧客の一般的な行動パターンだったが、現在は顧客が事前にウェブサイトやSNSで性能、素材、設備、インテリアなどを徹底的に調べ上げ、ブランドに対する憧れと信頼を抱いた上で、来場予約を入れて展示場を訪れる。岡本マネージャーは「展示場に来られるお客様は当社やオーナー様の発信している情報を視聴されている方も多く、SNSの効果を実感している」と話す。
展示場、営業減らさない逆張りの戦略
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