New   2026.4.16

日本エムテクス、アサヒ飲料と共同開発のCO2を固定する「二酸化タイル」

環境価値の視覚化へEPDの取得などを目指す

 

アップサイクル建材などの製造・販売を手掛ける日本エムテクス(東京都世田谷区、三浦征也 代表取締役)が、アサヒ飲料と共同で開発、昨年12月に発売した「二酸化タイル」について内覧会を開催。今後の展望を語った。

「二酸化タイル」は、日本エムテクスとアサヒ飲料が共同で開発した内装用タイル。アサヒ飲料は、自動販売機の庫内に特殊なCO2吸収材を搭載した「CO2を食べる自販機」を2023年から展開している。CO2吸収材はCaO(酸化カルシウム)と呼ばれる化合物をもとにしており、CO2と結合することでCaCO3(炭酸カルシウム)として安定できるため、安定したがる物質の性質から大気中のCO2を吸収する。自販機周辺のCO2を固定化することで、自販機由来のCO2の20%を回収するという目標で設置している。直近の設置台数は約5000台に達しているといい、将来的にはすべての自販機を「CO2を食べる自販機」に転換したい考えだ。二酸化タイルは、この「CO2を食べる自販機」庫内から回収したCO2を固定化したCO2吸収材を主原料とし、高炉スラグを混ぜて製造する。二酸化タイル1㎡で約3㎏のCO2を固定化しているという。

二酸化タイルの特徴のひとつが、従来のタイル製造に不可欠だった「焼成」の工程をなくしたことだ。一般的なタイルの製造過程では、高温の窯で焼き上げる「焼成」が必要であり、その段階で総排出量の80~90%に及ぶ膨大なCO2が発生する。これに対し、二酸化タイルは素材をプレス成型した後に乾燥させ、モルタルに近いプロセスで硬化することで製造時のCO2排出量を大幅に抑えることに成功した。

焼成工程を経ずとも、高い強度を有しており、耐衝撃試験では、二酸化タイルの2m上から鉄球を落下させても割れない強度があることが分かった。JIS相当の試験では約40㎝の高さからの落下衝撃に耐える性能が求められるが、それと比較しても二酸化タイルの性能の高さが分かる。これは、成分の一部にビニロン繊維を含むためだ。「タイルは配送時に割れやすく、ロスが10%と言われている。そのロスを少しでも削減するために、ビニロン繊維を入れた。それによって耐衝撃性が高まった」(営業開発部・上原哲也 氏)。

データセンターや鉄道関係の企業案件など大型物件を中心に引き合いが強いが、環境配慮に関心の高い工務店のモデルハウスへの採用も決まっている。

カラーは、「プレーン」、「グリーンティー」、「コーヒー」の3色で、グリーンティーとコーヒーには、それぞれ顔料の一部に茶葉やコーヒーの出し殻が採用されている。

「二酸化タイル」。現在プレーン、グリーンティー、コーヒーの3カラーで展開する

太陽光パネルのガラスを利用した舗装材の試作品

一方で、二酸化タイルは、製造工程や使用する廃材などの原料の特性上、色調や模様に個体差(色ムラ)が出やすい製品となっている。タイルを枠の中で圧縮して乾燥させる際、中心部よりも周囲の方が早く乾燥するため、その乾燥スピードの違いから色ムラが生じてしまう。この現象について、当初は色ムラをタイルの個性としてそのまま前面に押し出すことも検討されたが、アクの強い仕上がりになってしまったため、現在はタイルの表面を研磨することで色ムラを調整している。

現状は300㎜×300㎜のワンサイズのみでの展開だが、大きいサイズへの要望が非常に多いとして、450㎜サイズや600㎜サイズにもチャレンジしていきたいとする。また、「大手企業からは環境ラベルなど認証の取得への要望も強い」として、今後はEPDなどの環境に関わる認定の取得を目指したい考えだ。

出口づくりと再利用が課題


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