コンパクトさの中に豊かさを
片田舎で戸建ての持ち家が当たり前、二世帯住宅も多く実家も7LDK以上ある環境で育ってきたので、都心近くで3LDKの戸建て住宅が億近い価格で売られている現状を知ったとき大きな衝撃を受けた。
しかし、今号の特集「時代が求めるコンパクト住宅」を読むと、コンパクト住宅に対する意識の変化や新しい流れを感じられる。断熱や耐震などの性能が十分に確保され、設計の工夫で広がりを生み出している。住宅取得費が高騰するなか、利便性の高い土地に予算的に無理のないコンパクト住宅の購入は賢い選択なのかもしれない。かつて住宅取得費の高騰についてファイナンシャルプランナーの方に取材した際に、「地方暮らしで広い戸建てで育ってきた若い層が、実家と同じレベルの住宅に住もうと考え、無理なローンを組む傾向にある」という話を思い出すとなおのことだ。身の丈に合った住まいを選ぶという視点は、これからますます重要になるのだろう。

それでも、住まいの広さについて考えるとき、以前暮らしていた11㎡のアパートを思い出す。ロフトに上がる階段が部屋の三分の一を占め、部屋干しの洗濯物に囲まれた生活だった。同じようなシャワールームのみの間取りが「タイパ重視の若者に人気」と紹介されているネット記事を読んだときには、少なからず違和感を覚えた。私は「最近は浴槽付きが少ない」と言われ、やむなく選んだ物件だったからだ。
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