建材・設備の値上げ動向 主要メーカーの発表状況と住宅市場への影響
円安の進行に伴う原材料やエネルギー価格の高騰、さらに「物流2024年問題」に伴う輸送コストの増大などの影響を受けて、建材・設備メーカーの値上げが相次いでいる。
LIXILは、2026年春に大規模な改定を行う。水栓金具(平均15%)の値上げ幅が特に大きく、キッチンやトイレも平均6%程度、住宅用サッシ・ドアや金属サイディング、エクステリアなどが平均5%程度上昇する。
YKK APは、住宅用商品・エクステリア商品・金属外装材・ビル用商品について、2026年5月1日受注分から、価格を約5~10%上げる。エクステリア商品・金属外装材は2025年4月以来の値上げとなる。
その他、三協立山 三協アルミは、2025年10月から、カーポート、フェンスなどのエクステリア主力商品について平均11%(10~15%のアップ)の価格改定を実施している。TOTOは、2025年10月に価格改定を実施。衛生陶器を約5%、ウォシュレットを約3%、水栓金具を約2%、ユニットバス・システムバスを約3%、洗面化粧台を約2%上げた。パナソニックは、2026年1月から配線器具、ブレーカなどを約10~50%上げた。
2026年も円安基調は続くと見られている。日米金利差縮小にもかかわらず円安が進行している背景には、日銀の慎重な利上げ姿勢、財政規律への懸念、対米投資85兆円、AI関連投資によるドル需要増加などの様々な要因があるとされる。いずれにせよメーカーにとって厳しい市場環境は続きそうだ。
一方で、単なる値上げによるコスト転嫁に留まらず、メーカー各社は「資源依存からの脱却」を目指した抜本的な対策を講じ始めている。LIXILは、循環型低炭素アルミ形材「PremiAL(プレミアル)」を2025年10月から住宅用製品を含めた全てのアルミ製品に標準展開を開始した。生産技術の革新と管理方法の改善により、各ロットのリサイクルアルミ使用比率の均一化と下限値の引き上げ(60%以上)を実現。国内外5つの全アルミ製造拠点で製造できるため、量産が可能となり、環境価値の高い製品をこれまでと同じ価格で提供するとしている。
YKK APは、窓における一層の樹脂化を進める方針だ。堀秀充会長は、「世界的な情勢を見ると、アルミの価格は今後さらに上がる一方で、石油の価格、樹脂の原料となるナフサの価格は大幅には上がらないと見ている。なぜ今アルミ窓が安いかと言えば、他社も含めて生産設備の減価償却が終わっているから。一方で、樹脂窓についても生産設備の減価償却が終わり始めている。加工費をもう少し下げることができれば、今後は逆にアルミ窓や樹脂複合窓の方が高くなる可能性がある。海外と同じように日本でも樹脂窓が一番安くスタンダードな商品だという状況になれば、さらに樹脂窓を拡販しシェアを高めていける」と話す。
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