建築政策がストック活用型へ転換 国が新たな方針を提示
建築を「使いこなす」をキーワードに建築政策転換の検討を開始
国土交通省の社会資本整備審議会建築分科会において、建築分野の将来像を見据えた「中長期的なビジョン」の中間とりまとめが承認された。ストックの充実、人手不足の深刻化など社会環境の変化を踏まえ、建築を「使いこなす」をキーワードとした建築政策転換の検討を進める。
日本の建築基準制度は、平成24年の諮問以降、約10年間にわたり累次の見直しが行われてきた。令和7年4月からは、第四次答申で継続課題とされた事項の議論が開始されているが、これまでの個別課題への対応だけでは、多様化・複雑化する社会的要請に十分応えられないという認識が示されている。
現在、建築分野は大きな転換期にある。建築基準関連の法制度整備により、建築物・市街地の安全の確保、環境性能やバリアフリー性能をはじめとした質の向上等を推進してきているが、引き続き、多様化する社会的要請に対応するため、基礎的な技術基準整備の継続や新技術等の円滑な実装等のアップデートが期待されている。
加えて、ストック活用社会の到来と担い手不足により、技術者の持続的な確保及び適切な技術伝承と、技術者・専門家以外の住まい手や建築物を利活用する者も建築分野の新たな担い手の主体になることが求められる。
さらには、社会全体の要請として、順次対策を講じている気候変動等による災害激甚化はもとより、未だ建築分野における対策の検討が途上であるサーキュラーエコノミーや生物多様性等への対応も急務である。
特に2050年のカーボンニュートラル目標や人口動態の変化、新築中心から既成市街地を前提としたまちづくりへのシフトが求められている。従来の「スクラップ&ビルド」から脱却し、既存の建築ストックを適切に「使いこなす」ことを中核とした、建築分野全体のビジョンを産学官で共有する必要性が高まっている。
こうした背景を踏まえて、中長期的なビジョン策定の目的は、経済的・社会的投資の予見性を高め、計画的な人材確保・育成、および技術開発の方向性を明確にすることにある。具体的には、以下の3つの視点から取組事項を整理している。
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