New   2026.1.23

日建設計、2026-2030経営ビジョンを発表

社会課題解決型事業の展開などで収益990億円を目指す

 

26~30年経営計画をまとめた。社会環境デザインの価値向上や社会課題の解決に取り組み、30年に収益990億円を目指す。

2025年に創業125周年を迎えた日建設計が「経営計画2026-2030経営ビジョン」を策定、社会課題の解決に向けた新戦略をまとめた。

同社は5年に一度経営計画をまとめており、「2021-25ビジョン」の「社会環境デザインプラットフォームへ向けた進化」から「2026-30ビジョン」の「社会環境デザインプラットフォームとして変革に挑む」に進化させたことがポイントだ。

大松敦社長は「社会課題はどんどん複雑化、多様化しており、今までのようなやり方で、一つひとつの建物やプロジェクトを通じて社会貢献していくだけでは足りないのではないかと考えた」と背景を説明。

「従来、社内の技術者が中心となり社会課題の解決に向かうプロジェクトの設計を提供してきたが、もう少し共創、コラボレーションしていく必要があると強く感じ、21-25年ビジョンでは、その仕組みを社会環境デザインプラットフォームと称し、内部の人や技術はもちろん、社会とのつながりも会社の財産としてしっかり育てていこうと掲げた。26年からの新中期計画は、この社会環境デザインプラットフォームとして変革に挑む。社会課題を変革によって解決することに、さらに積極的に取り組む」と話す。

この5年間で、空間・建築・インフラだけでなく、パートナーとともに、コミュニティ、モノ・サービス、産業・市場・金融、政策・制度といった社会を構成するさまざまなレイヤーに変化を及ぼしていけるような仕事に取り組むとした。

2030年を目指し4つのテーマ
自ら社会課題解決型事業の展開も

「26-30ビジョン」で掲げたテーマは、「社会環境デザインの価値向上」、「社会課題解決型事業の展開」、「ビジネス基盤の革新」、「組織体制と経営指標の進化」という4つだ。

「社会環境デザインの価値向上」では、新たな付加価値を創出し、社会環境デザインの意義と影響力を高める。

大松敦社長が「2026-2030経営ビジョン」を説明

具体的には、増大するプロジェクト内の情報を、安全かつ確実に管理・蓄積し、ステークホルダーが情報を利用しやすいための仕組みをつくる。また、建設コストが高騰するなか、透明性の高い発注方法や、標準化・工業化といった技術の更新、データ連携など建築生産システムの変革を進める。AIとの共創の大きなテーマだ。

「社会課題解決型事業の展開」では、受託事業だけでなく自ら社会解決型事業を展開する。

例えば、共創プラットフォーム「PYNT」や、環境性能と投資経済性を両立する改修モデルであるゼノベプロジェクトの第一弾「日建ビル1号館」などが該当する。

「ビジネス基盤の革新」では、継続的な脱炭素活動・サーキュラーデザインのワークプレイスを活用した社会的発信、海外戦略などに取り組む。

「組織体制と経営指標の進化」では、財務資本の30年目標として、人員3100人(25年2702人)、受託1050億円(同722億円)、収益990億円(同690億円)を目指す。

非財務資本面では、人的資本、社会関係資本、文化的資本、知的資本といった資本を、同社の潜在価値や社会的影響を示すものとして可視化し社会発信を行い、信頼獲得やエンゲージメント向上、人材確保につなげていく考えだ。