多気町(三重県) 「VISON」から町、広域に、多彩な連携
5町が連携して新しい仕事やサービスを創出、魅力的な街づくりを進める
多気町を中心に周辺4町が連携し「三重広域連携モデル」に取り組んでいる。
人の流れをつくるためさまざまなプロジェクトを生み出し、デジタル田園都市国家交付金を活用し、新しい仕事やサービスの創出へとつなげていく。
多気町は三重県のほぼ中央に位置する内陸の町で、西と北に松阪市、東に明和町、南に大台町などと接する。総面積約103㎢、地目別では山林・原野が41.7%、田畑が18.8%、宅地が4.7%など、山林の占める割合が高い。古くは熊野古道伊勢路、伊勢本街道、和歌山別街道が通り、現在はJR紀勢本線と参宮線が分岐する交通の要衝となっている。
多気町の「気」は、以前は「氣」と書いた。その名の通り、古くから多くの米が取れるなど農業が盛んで、近くの伊勢神宮にも食材を奉納していたという。幾度となく皇室に献上され、明治30年代にはアメリカへ輸出もされていたとの記録が残る「伊勢芋」や、シャキシャキとした触感と強い甘みが特徴の「前川次郎柿」などの特産品がある。世界に名をとどろかせる「松阪牛」を多気町でも約2千頭育てている。過去の品評会で高値を付けられたりと良い成績をあげており、ふるさと納税の返礼品ではこの肉が一番人気という。1995年、シャープの液晶パネル工場が完成し、操業を開始。この進出を機に工業の町としても発展しようと、町が工業団地を建設し、企業誘致を積極的に行っている。
![](https://htonline.sohjusha.co.jp/wp/wp-content/uploads/ht671-042_01.jpg)
観光にも力を入れている。「ごかつら池ふるさと村」は、動物園(現在リニューアル工事のため休園中)やキャンプ場、ペダルボート、農産物の直売所を備えた複合施設。メディアでも話題になった高校生が運営するレストラン「まごの店」も人気だ。同町出身の薬草研究者で、徳川吉宗の主治医を務めた野呂元丈の偉業をしのぶ「元丈の館」は、薬草の足湯や薬膳料理を楽しめ、「健康増進に効果がある」と評判。2021年7月に日本最大級の商業リゾート施設「VISON(ヴィソン)」がオープンした。約119ha、東京ドーム24個分という広大な敷地内に薬草湯の入浴施設、産直市場、和食の食材メーカーによる体験型店舗、地域食材を生かした有名シェフによる飲食店など約70店舗が出店。約200室のホテルや「旅籠」や「ヴィラ」も整備している。
昨年2月末現在で町の総人口1万4124人、世帯数5697世帯。町内に多くある工場や、松阪、津、伊勢市などの企業に勤める人が多い。定住人口拡大へ補助金制度を2021年に創設。町外からの移住者が家を建てるときに200万円、Uターンの場合は230万円が補助される。町民が町内に残り、家を建てる場合も100万円が補助される。
VISONを核にデジ田交付金TYPE2に採択
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