創業の精神を継承し木造建築のプロ集団として売上高1000億円を目指す
AQ Group 加藤 博昭 社長
独自の技術力とコストパフォーマンスを武器に、住宅業界内で存在感を放ち続けるAQ Group。
2025年3月、同社の創業者である宮沢俊哉氏(現会長)から、加藤博昭社長へと経営のバトンが受け継がれ、「カリスマ創業者」から「チーム経営」へという転換期を迎えている。
加藤社長に、新生AQ Groupの現在地と、売上高1000億円を見据えた未来への展望を語っていただいた。

Profile
加藤 博昭 Hiroaki Kato
1986年にAQ Group(アキュラホーム)初の新卒社員として入社し、営業職や工務店支援事業に従事。その後、支店⻑、本社部⻑、関連会社社⻑を経て、2018年に執⾏役員、2023年に常務執⾏役員、2024年に取締役を歴任。入社以来、高いコミュニケーション力と強いリーダーシップにより、AQ Groupの事業拡大・成⻑を牽引。
「カリスマ」から「チーム」へ
創業の「想い」と「事業」を引き継ぐ
―― 社長就任からこれまでの率直な感想をお聞かせください。
社長に就任してあらためて感じるのは創業者の宮沢(俊哉会長)が築き上げてきた歴史の重みと、そのバトンを受け継ぐ責任の大きさです。
私は1986年に入社しましたが、当時はまだ「アキュラホーム」というブランドが確立される前。宮沢が軽トラに乗って大工仕事をしながら、現場を走り回っていた時代でした。実質的な新卒第1号のような立場で入社し、右も左も分からない状態から、宮沢の背中を見て育ってきました。
当社の歴史は、宮沢という一人の強烈なリーダーシップを持ったトップが、「日本の木造住宅を良くしたい」、「適正価格でいい家を提供したい」という一心で牽引してきた歴史そのものです。そのエネルギーと先見性は並外れたものがあり、誰も真似できません。
だからこそ、私は就任当初から「チーム経営」を掲げてきました。トップダウンで全てが決まる組織から、各事業部門の責任者が自らの役割と責任を自覚し、チームとして有機的に機能する組織へ。創業者が築いた「想い」と「事業」を、私を含む全員でどう引き継ぎ、形にしていくか。社長に就任してからは、その体制づくりと意識改革に取り組んできました。
―― 長年、内側から会社を見てこられた加藤社長が考える、AQグループの「強み」とは何でしょうか。
最大の強みは、間違いなく技術力です。創業者が大工出身であるがゆえに、当社は創業当初から「現場の合理化」と「施工品質の向上」に徹底的にこだわってきました。1990年代に開発した住宅建設合理化システム「アキュラシステム」は、まさにその象徴です。これは、どんぶり勘定が当たり前だった業界に、科学的なコスト管理と品質管理を持ち込んだ住宅事業の経営システムです。この「住まいを良くしたい」というDNAから構法の技術開発が続き、現在の「AQダイナミック構法」や「AQ木のみ構法」にも受け継がれています。
そして、もう一つの強みが「人」です。当社の社員は、本当に建築が好きで、木が好きで、そして真面目な人間が多い。
創業者の熱量に惹かれ、誠実に家づくりに向き合うメンバーが集まっています。技術とそれを使いこなす人。この両輪が揃っていることこそが、AQグループの強みだと自負しています。
激戦の住宅市場で選ばれるために
技術者集団としての矜持
―― 足元の住宅市場環境は非常に厳しい状況です。御社の主軸である戸建注文住宅事業の現状はいかがですか。
おっしゃる通り、市場環境は逆風が吹いています。ウッドショック以降の資材価格高騰に加え、人件費の上昇により、住宅価格は否応なしに上がっています。一方で、お客様の実質賃金はなかなか上がらない。結果として、かつての大手ハウスメーカーの価格帯に手が届かなくなった層と、ローコスト住宅では満足できない層が、中間価格帯の市場に集中し、激戦区となっています。
当社の平均受注単価も、かつての3000万円前後から、現在は3200万円程度にまで上昇しています。しかしながら、そのような厳しい環境下でも、当社の受注は微増で推移しています。大手メーカーですら苦戦する中で、なぜ選んでいただけているのか。それは、当社が創業以来追求してきた「コストパフォーマンス」への評価ではないでしょうか。
―― ハード面では、どのような点が評価されているのでしょうか。
独自の「AQダイナミック構法」による提案力が高い評価を得ています。この構法は、一般的な木造軸組工法でありながら、壁倍率の高い耐力壁を用いることで、圧倒的な大空間や大開口を実現できるものです。
しかし、私たちが提案している価値は、単なる「広さ」や「強さ」だけではありません。最大の魅力は、ライフスタイルや家族構成の変化に応じて、住宅も「可変」していく点です。
家というのは、建てて終わりではありません。家族構成は変化し、ライフスタイルも変わります。子供が独立すれば子供部屋は不要になるかもしれないし、二世帯住宅にする必要が出てくるかもしれない。「AQダイナミック構法」なら、柱や壁を極力少なくした大空間を構築できるので、構造躯体(スケルトン)を触らずに、内装や間取り(インフィル)を容易に変更できるのです。圧倒的な可変性実現によるライフサイクルコストが大きな魅力と言えます。
―― 今後の戸建事業における課題はありますか?
「施工品質の均質性」の追求です。当社は埼玉県からスタートし、全国へと拠点を拡大してきましたが、どうしても地域ごとに、施工品質や納まりに若干のバラつきが生じる課題がありました。現在、あらためて標準施工要領を見直し、設計段階からの品質管理を、さらに徹底するプロジェクトを進めています。
注文住宅は一品生産であり、お客様の自由度を高めれば高めるほど、施工の難易度は上がります。しかし、そこで「効率のために自由度を下げる」という選択肢は我々にはありません。「完全自由設計」と「高品質な施工」を高い次元で両立させる。それが技術屋集団としての矜持であり、市場での優位性につながると考えています。
木造ビルの可能性を追求
投資家も認める環境価値
―― 御社が力を入れている木造マンション「AQフォレスト」が注目を集めています。

おかげさまで、多くのメディアや行政、投資家の皆様からご注目いただいています。
「AQフォレスト」は、独自に開発した「AQ木のみ構法」を活用した〝純木造〟のマンションです。25年5月に完成した第1弾プロジェクト「AQフォレスト大宮桜木町」は、純木造でありながらRC造並みの耐震・耐火性能を実現し、完成後すぐに満室となりました。これは投資家や入居者の意識の変化もあるのではないでしょうか。続く10月には「AQフォレスト赤羽西」が完成し、現在、着工済みのものが2件あります。計画が進行しているプロジェクトも複数あり、想定以上に順調な滑り出しを見せています。
「AQフォレスト」の事業では、当社は土地を仕入れ、そこに純木造マンションを建築し、投資家の方々などに売却しています。驚いているのは、投資家や入居者の皆様の木造に対する意識の変化です。投資家の方々から「木造であることの環境価値」を高く評価する声が上がっています。利回りだけでなく、ESG投資の観点から木造ビルを選びたいというニーズが確実に生まれているようです。
入居者の方々からも、「木の香りがして落ち着く」、「都会にいながら森を感じられる」といった感性的な価値への評価が高く、家賃設定を強気にしても、次々と入居が決まる状況です。
RC造が当たり前だった都市型マンション市場に、「木造」という新たな選択肢が受け入れられ始めていることを肌で感じています。
全国47都道府県に「純木造の森」を
技術の普及で地方創生に貢献
―― 木造建築を推進する新たなネットワークも設立されましたが。
当社が「AQフォレスト」を手掛けることで、「AQ木のみ構法」を核として、様々なノウハウが蓄積されつつあります。「AQ木のみ構法」は、特殊な工法や材料を使うことなく、一般的に流通している材料で純木造建築を実現するものです。その可能性は、8階建ての純木造である当社の本社ビルでも実証済みです。
創業者の宮沢の口癖に、「技術は普及してこそ価値がある」という言葉があります。どんなに素晴らしい技術も、当社一社が独占していては、日本の街並みは変わりませんし、カーボンニュートラルへの貢献も限定的です。
私たちが確立した「AQ木のみ構法」などの技術やノウハウを、全国の志ある地域の建設会社に提供し、共に中大規模木造建築を普及させていくための組織として、「中大規模木造建築 共創(ともつく)ネットワーク」(通称:ともつくネット)を25年9月に設立しました。目指すは、2027年度末までに全国47都道府県で加盟企業を募り、日本中に「純木造の森」を創出することです。
なお、当社では日本最大級の木造建築集団を目指す「フォレストビルダーズ」を組織しています。フォレストビルダーズには、「AQダイナミック構法」で戸建住宅を建築する外部組織「アキュラホームFC」と、ボランタリーチェーンの「AQビルダー」があります。そして、「ともつくネット」は、フォレストビルダーズの中でも、「AQ木のみ構法」を活用して中大規模木造建築を担う外部組織という位置づけになります。

――「ともつくネット」に加盟する建設会社には、どのようなメリットがあるのでしょうか。
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