米国や中国の不況がブレーキに 欧州、豪州、アジアでもさまざまな動きが広がる
2025年の重大NEWS
米国や中国など各国の不況が海外事業の業績悪化として表面化、事業の再構築も進んだ。
一方で、好調を維持する企業、新たに進出する企業も相次ぐ。
企業成長に欠かせないファクターとなった海外事業が大きく動いた。
国際社会における2025年の重大ニュースに間違いなく入るのが「トランプ関税」であろう。日米はもとより、日本企業が海外事業を行う国の状況が大きく変わる。グローバルな事業展開における大きなリスクが表面化したと言える。
足元の大手ハウスメーカーの半期決算は、海外事業で明暗が分かれた。特に厳しい結果となったのが米国で事業を展開する積水ハウス、住友林業、旭化成ホームズの3社だ。住友林業(25年12月期第3四半期)は、豪州が増収増益となったものの、米国事業は売上高が前期比9.4%減、経常利益は同28.2%減で、「確たる回復の兆しは見えていない」(大谷信之常務)という状況。積水ハウス(26年1月期第2四半期)は売上高こそ同26.8%増であったものの営業利益は同48.5%減、引渡し戸数を計画の1万5000戸から1万2000戸へ下方修正した。旭化成ホームズの上半期の海外事業売上高は同0.1%増と横ばいも、営業利益は同50.9%減である。

一方、住設・建材メーカーも厳しい状況が続く。LIXILの25年度上半期のウォーターテクノロジー事業(LWT)における海外の業績は、売上収益が同4%減、事業利益が同74.1%増。欧州・中東で売り上げが増加したが、米国・中国での需要低迷が続き、米国事業は減収減益となった。4月に浴槽事業をAmerican Bath Group︐LCCに事業譲渡し、北米地域における浴槽事業強化に向けて同社と戦略的パートナーシップを締結した。こうした構造改革や価格改定効果が来期から本格的に発現する見込みとしている。また、ニチハは米国の住宅市場向け汎用外装材事業から撤退した。住宅着工伸び悩みのなか競争が激化、販売価格の引き下げ、工場の稼働率などが改善しなかったもので、今後、高級外装材に資源を集中する。
こうしたなかで米国事業が好調に推移した企業もある。大和ハウス工業は上期の受注戸数、引き渡し戸数ともに前期を上回った。「ターゲットを定めて適切に土地を取得、顧客目線で地道に営業」(芳井敬一会長)を原因とし、「市場はまだ厳しいが、伸ばしていく自信がある」としている。また、リンナイも25年度上半期の業績は売上高が同9.7%増、営業利益28.7%増。依然、消費マインドは低調だが新商品の販売が好調、関税の影響が一部顕在化したものの価格改定や商品ミックスの改善で吸収し増益となった。
低迷が続く米住宅市場。土地利用規制、許認可制度の厳格化、長期にわたる新規住宅供給の不足などにより住宅価格が高騰、持ち家取得が困難になっている。さらに関税による原材料価格の上昇、移民規制の強化による人手不足が拍車をかけている。「26年の第1四半期に向けて少しずつ回復すると読んでいるが、正直不透明な状況」(旭化成ホームズ・新知徳海外事業本部長)だ。
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