新築戸建住宅の高性能・高額化鮮明 土地セットの賃貸開発や大型リフォーム、買取再販にも注力

2025年の重大NEWS

 

国内の住宅市場が徐々に縮小していく中で、大手住宅メーカー各社は国内の戦略転換によってさらなる成長を目指している。従来の新築戸建請負重視のビジネスモデルから脱却し、高付加価値商品の展開、賃貸・開発事業(ランドセット)の強化、ストックビジネス(買取再販・リフォーム)への注力が鮮明となっている。

かつてない資材高騰と人口減少の影響を受け、国内の新築戸建住宅の着工数は減少傾向が続いている。しかし、大手住宅メーカー各社の25年度上半期までの業績を見ると、販売棟数の減少を一棟単価の上昇で補い、利益率を高める戦略が定着しつつあることが分かる。25年4月から始まった建築物の省エネ基準適合義務化を契機に省エネの注目度が高まり、GX志向型住宅への補助金開始などで、省エネ水準のアップも加速。首都圏および都市部の富裕層の需要も底堅いことから「高付加価値・高価格化」の戦略は今後も継続しそうだ。2024年度の各社の1棟あたりの棟単価はいずれも上昇した。大和ハウス工業、旭化成ホームズは5500万円、次いで積水ハウスが5248万円、パナソニック ホームズが4841万円、住友林業が4670万円、積水化学工業が3700万円と続く。

積水化学工業が新発売したフラッグシップ商品「ELVIA」モデルハウスの外観

単価上昇は、建設コストや資材価格の転嫁だけが理由ではない。各社は標準仕様のグレードアップ、省エネ基準の強化、ブランド戦略の再構築などを積極的に推進している。旭化成ホームズは1月に戸建住宅全商品の断熱等級6を標準仕様化した。同時に、都市のアッパー層に向けた坪単価115万円~の3階建て大型邸宅商品「FREX asgard(フレックス アスガルド)」を投入。一戸建ての大型化と高付加価値化をさらに推し進めた。大和ハウス工業も1月に坪単価128万円~の軽量鉄骨造3階建て戸建住宅商品「xevo M3(ジーヴォ・エムスリー)」を発売。7月からは平屋建て・2階建ての戸建注文住宅全商品の断熱等級6の標準化を開始した。他社と比べて価格を抑えていた積水化学工業も、高価格帯市場でのシェア獲得のため、10月に新フラッグシップモデル「ELVIA(エルビア)」を発売した。

大手住宅メーカー2025年の国内戦略の主な動き

高級分譲住宅の展開も相次いだ。住友林業は都心部の広い敷地でハイグレードな戸建住宅を提供する「邸宅分譲プロジェクト」を7月に開始。第1弾の品川区「フォレストガーデンGrande洗足」(4区画)は平均販売価格2億6000万円台と高額ながら完売した。積水化学工業も、11月に新分譲住宅ブランド「ザ・デザイナーズハイム サステナブルグレード」の展開を開始。第1弾として「スマートハイムシティ三鷹深大寺」(東京都三鷹市)を計画した。一棟ごとの付加価値を最大化し、高額でも選ばれるブランド力を構築することが、各社の共通戦略となっている。

一方、戸建住宅の高騰により持ち家を諦め賃貸を選択する層が増えていることや、単独世帯の増加などを背景に、市場では賃貸住宅の需要が高まっている。賃貸事業を展開する大手メーカーは地主からの請負建築にとどまらず、土地の仕入れから建物の建築・販売・管理までをセットで行うランドセット(土地付き建物)事業に力を入れている。


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