New   2025.12.16

ZEHを上回る住宅基準 GX ZEHの定義が決定 ZEHが当たり前になりつつある

2025年の重大NEWS

 

2025年は、住宅業界における省エネ政策・基準制度が一気に動き出した。
背景には、2050年カーボンニュートラル達成に向けた国の住宅政策のギアチェンジがある。
これまで「推奨」段階にとどまっていた断熱性能や一次エネルギー消費量基準は、2025年から段階的に「義務化」へと移行し、住宅供給側にはより確かな省エネ性能が求められるようになった。


改正建築物省エネ法が施行された4月、いよいよ新築住宅の省エネ基準適合の義務化がスタートした。さらに30年までにZEHレベル(断熱等級5)への引き上げ、義務化を予定している。

こうしたなか、政府は、新たな誘導基準の策定や補助事業などでZEH水準を上回る住宅づくりを強力に後押しした。
経済産業省は3月、建材トップランナー制度の適用対象に非木造の中高層住宅・中大規模建築用のサッシおよびガラスを追加すると発表。集合住宅の省エネ性能底上げにも踏み込んだ。

そして、5月には国土交通省・経済産業省・環境省の3省による支援制度「GX志向型住宅」の補助金申請が開始。戸建住宅の場合、断熱等性能等級6、一次エネ消費量削減率△35%などZEHの上をいく次世代の高性能住宅として打ち出され、160万円/戸という補助金がつけられた。このGX志向型住宅は約3カ月で総額500億円の予算を使い切るという想定外の速さで、7月には受付が終了した。

さらに、経済産業省は5月、新たなZEH定義案を公開。6月には名称を「GX ZEH」とすることが決まった。

超省エネ住宅めぐる2025年の動き

9月には定義が確定。現行のZEHが、戸建て住宅の場合「断熱等級5の確保」、「再エネ導入」、「再エネ除く一次エネ消費量20%削減」、「再エネ含む一次エネ消費量100%削減」を要件としているのに対し、GX ZEHでは「断熱等性能等級6の確保」や「再エネの導入」を必須とし、「高度エネマネ」、「蓄電池の導入必須」、「再エネ除く一次エネ消費量35%以上削減」、「再エネ含む基準一次エネ消費量100%以上115%未満の削減」を求めた。27年4月から新定義が適用される方向性が示されている。

また、12月には改正住宅性能表示制度が施行され、一次エネ消費量等級に等級7・8が新設された。等級7の評価基準は、再エネを除いて等級4(省エネ基準)比で一次エネルギー消費量を30%削減できること、等級8は同35%削減できることとしている。 

住宅の省エネ性能を表す指標である住宅性能表示制度では、断熱等性能等級と一次エネルギー消費量等級の2つが設定されている。断熱等級については、22年にZEH水準相当を超える等級6、7が既に創設されている。一方、一次エネルギー消費量等級については、これまでZEH水準相当の等級6が最高等級となっていた。また、近年では省エネ性能の高い住宅の供給が急速に進んでおり、一次エネ等級6を取得している住宅が増加。2022年度は新築戸建ての48.6%だったものが、2023年度は85.7%にまで拡大していた。こうした状況下で、脱炭素の実現に向けてZEH水準を上回る省エネ性能を有する住宅のさらなる普及や、その水準を評価できる環境の整備が必要とされ、一次エネルギー消費量等級に等級7、8が追加された。


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